選び選ばれて 10-1

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選び選ばれて 10-1

 寝間着の隙間から宗吾さんの指が侵入し、今度は直接、胸の尖りを的確に見つけられ、やわやわと指先で捏ねられてしまった。 「あっ!」 「まだ、やわらかいな」 「もうっ……駄目ですっ」  そこは宗吾さんがいつも沢山弄るせいで、すっかり弱くなってしまった。  少し触れられるだけでもコリコリと芯を持って、膨らんでいくような危うい感じで困惑してしまう。どうして……こんなになった? 「少し硬くなったな。やっぱりこの感触とこの大きさだな」 「やっ……」  さっき摘まんだ卵ボーロの大きさが脳裏に浮かび、いよいよ恥ずかしくて死にそうだ! 「もう、宗吾さんは……変ですっ」 「ははっどうとでも」  チュッチュッと啄むようなキスを受け、そのまま平らな胸を揉まれる。  こんな風に愛撫されるのは……女性にするのと同じ事をされているという自覚はある。でもとても気持ちいい。宗吾さんの手が気持ちいいからだ。  毎回男としての矜持がどうしても揺らいでしまうのは、中に出されたものが内股から滴り落ちる時だが、こんな風に胸を弄られるのは、実は結構好きなのかもしれない。  なんて絶対に口に出せない。(宗吾さんが喜ぶだけだから!) 「んっ……もう、やめて」 「じゃあ、瑞樹も自分で触ってみろ」  僕の胸の尖りを自分で触るようにと、宗吾さんの手が誘導する。 「あっ!」  本当に大きさが卵ボーロのような気がして恥ずかしい。いつの間に、こんなぷっくりと膨れていたのか。それに自分で自分の胸を弄るなんて、僕も相当……変だ! 「ふっ可愛いな。自分で触って感じているのか」 「ちっ違います!」 「しっ静かに」  真横に芽生くんが寝ている状態で、こんなの無理だ。 「うっ」    声を押さえると、反動で涙がほろりと溢れた。 「ううっ……」 「あっすまん。泣かせるつもりじゃ」 「もうっ酷いです。僕のここ、どうしてくれるんですか。こんなにしたのは宗吾さんですよ」 「俺が君を変えた?」 「前は……こんな風に感じなかったです」 「じゃあ、俺が開発したのか」 「うっ」  なんだこの会話……そう告げると宗吾さんは機嫌良さそうに微笑んだ。  どうして僕は宗吾さんになら何をされても許せてしまうのか。  でも今日は少しの悪戯心が芽生えてしまった。 「宗吾さん、教えてくれてありがとうございます。よーく分かったので、今度は実践させて下さい!」 「えっ」  形勢逆転だ!  僕が宗吾さんの胸にぴたりと触れてみる。 「わっ! なっ何だ? 」  それから、僕と違って逞しい胸板に埋もれる小さな粒を掘り起こすように、指先で弄ると、宗吾さんがくすぐったそうに身を捩った。 「駄目ですよ。ちゃんと捏ねさせてください」 「うわっ! よせっって、よせ~っ!」  宗吾さんが大笑いした拍子に、芽生くんがムクりと起きてしまった。  まっまずい! えっとこの場合は…… 「ん……どうしたのぉ? パパぁ、おにいちゃん……なにしてるの」 「わっ芽生くん! あのね……えっと、パパをやつけているんだよ」  むっ無理があるかな。 「なにそれーおもしろそう! どうするの?」 「ここをこちょこちょするんだよ」 「ワハハっ! よせよせ!」  二人がかりで宗吾さんの胸元を沢山くすぐった。 「ワー!!ヤメロォー!」  結局そのまま泣き笑いし、最後は笑い疲れて、3人で川の字で眠ることになった。 「おにいちゃんーボク……目がさめちゃった。なかなか、ねむれないよ」 「困ったね……そうだ! 羊を数えるといいよ」 「ひつじ?」 「羊が一匹、羊が二匹って数えると、退屈で眠くなってくるよ」 「ふーん、でも、ひつじはメイみたいだから、卵ボーロをかぞえる!」 「え?」 「小さくてコロコロ、いっぱいだもんね。卵ボーロが1つ~卵ボーロが2つ、あっそうだ。パパはヨダレをたらして、コネコネしていたよ」  なるほど!これが二人の秘密か。 「もうー宗吾さんっ、小さな子供の前でやめてくださいよ!」 「わっ悪かった」  その日は、3人で大量の卵ボーロを作る夢をみた。  僕は宗吾さんサイズの小粒なものを、宗吾さんは僕のサイズを忠実にせっせと再現してた。  夢の中でも、やっぱり宗吾さんは変だった。  きっと夢を見ながら……僕は笑っていたに違いない。
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