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選び選ばれて 11-2(キスの日スペシャル)
「宗吾さん、芽生くん眠ったみたいですので、僕もこれで」
リビングで寛いでいた宗吾さんに声をかけると、グイッと腕を掴まれた。
僕が芽生くんを寝かしつけている間に、いつの間にか……ワインを開けたらしい。
テーブルには大きなグラスが二つ。
赤ワインのルージュが間接照明に照らされて、艶めいていた。
誘われているのか──
「瑞樹も明日は休みだろう」
「はい」
「じゃあ、ワインを飲むか」
「……すぐに酔ってしまいますよ」
「酔った君が見たいから、それでいい」
甘く熱い視線を受けると、照れ臭くなってしまう。
こういう時の宗吾さんって目力があって、捕らわれてしまう。
昨日は結局、途中から爆笑大会になってしまったので、今日は大人っぽく?
素直にソファに座ると、宗吾さんもとても嬉しそうな表情を浮かべてくれた。
「大人の時間だな。今日はゆっくりと……君を最後まで抱く」
肩を組まれ耳元で甘く低い声で囁かれると、途端に心拍数が上がる。
宗吾さんはずるい。大人の余裕みたいなのも感じさせて、僕を魅了する。
宗吾さんがグラスワインに口をつける。
「しかも」
「なっ何ですか」
「今日はかなり酔った君を抱きたい」
「あっ……」
口移しにいきなりワインを注がれたので、零さないように必死に嚥下した。
「んッ……急すぎます」
「さっき、君が平然と前妻の話をするから妬いた」
「ん? それ何か違いますよね」
「いや、瑞樹にはもっともっと我儘を言って欲しいんだよ」
「もうっ── じゃあ……今日……僕をしっかり抱いて下さい」
まだほんの少ししか飲んでいないのに、もう酔ってしまったのか。それとも──
「もっと飲むか」
「はい……飲ませて下さい」
口移しの赤ワインの味は、恋をはらんで……ふくよかに口腔内に広がっていく。
何度も何度も飲まされ、酩酊していく。
「零さなかったな。偉いぞ」
宗吾さんに甘い視線で見下ろされて、唇に残ったワインを指の腹で拭われる。
ゾクっとする瞬間だ。
その指を舌でペロッと舐めると、宗吾さんが指を僕の口腔内にそっと差し込んだので、それを優しく吸った。
「誘っているな……」
「かなり……酔っているので」
「いつになく大胆だ」
今度はちゃんとしたキスを交わす。
そこから一気に求め合う。
キス、キス、キスの嵐だ。
そのままキスをしあいながら、僕たちは寝室へと移動して……
そして扉をパタンと閉めた。
あとがき(不要な方はスルーで)
****
志生帆 海です。こんにちは!
いつも読んで下さってありがとうございます。
スターやスタンプ・ペコメ……嬉しく更新の励みになっています。
5月23日はキスの日でしたので、後半、甘い甘い二人のキスにしてみました!明日も続きます。
おもちさんとのクロスオーバー作品集
『甘雨のあとの、幸せな存在』https://estar.jp/novels/25642826
読んで下さり、本棚登録もありがとうございます。
なんと今日はBL日間3位!! 感謝しております。
次は夏のお話&コミック(イラスト)を企画していますので、今後も一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです。キュンキュンする萌えを沢山盛り込んでいきたいです♡
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