Prologue

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「おとうさんっ!なんで勝手にあたしの写真を向こうに渡すのよっ!!」 あたしは「信じられない」という顔で叫んだ。 「まさか……海辺で潮風に吹かれて髪の毛がばっさばさになってた、あの写真じゃないでしょうねっ!?」 そんなことになってるなんてまったく気づかず、バカみたいに笑ってる写真だった。 にもかかわらず、父のお気に入りの一枚だ。 「い、いや……おとうさんはあの写真が…… いちばん七海らしさが出てると思って……」 父はあたしの地雷に向かって、バンジージャンプしていた。
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