赤い猫

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 ミユは音につられて足を速め、駅へと向かう。しかし、頭に浮かんできた想像が正しいなら、恐ろしいことを認めなければいけないので、それが怖くて線路際に立ち、ホームの様子を窺う。  やはり、想像通り、客も駅員も姿は見えなかった。  電車がやってきた。もちろん、運転手は見えず、発車して目の前を通り過ぎていく車両に人影はない。呆然と見送る電車には、車掌の姿もない。  これでわかった。  ――この町から人が消えてしまったと。
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