人通りが消えた繁華街

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 ミユは、今頃になって、夕食を食べていなかったことに気づく。 「ショックで食欲がないはずなのに……なんで?」  なおも悲しげな声を上げる胃袋は、駄々をこねる子供のよう。  冷蔵庫に食材はあるが、調理する気力がない。レトルトカレーでもいいかと思ったが、ご飯を炊いておらず、今から米をとぐのも面倒くさい。 「コンビニでも行こうかしら」  そう言って立ち上がった彼女は、突然、辺りが闇に包まれ、全身が横揺れの地震でもあったかのように揺すられた。
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