はじのはじまりではじさらし

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はじのはじまりではじさらし

ーーー???Side ある日、不思議な力を持つ少女がいました。 少女は持っている力で沢山の人々を助けました。 しかし人々は少女のその力を見て少女を忌み疎み、魔女とさえ批判して来ました。 好意が裏目に出ていたたまれなくなった少女は他の地へと移らざるを得ませんでした。 しかし少女は善良な心を捨てず沢山の人を魔法で助けました。 結局そんな少女を受け入れる人は誰もいなく人々はそのまま幸せを享受しながら過ごしていました。 それでも少女は幸せです。 ひとりぼっちでも幸せです。 ーーーー この世界は現実世界と変わらない光と闇の入り混じった世界だが一つ特異な存在「魔法少女」がこの街で暗躍していた。 魔法少女は「ダースマター」と戦い命をすり減らしつつ、魔獣から現れる世界の混乱の元、[マナキューブ]を「魔法妖精」に浄化してもらい、生活を繋げている。 ダークマターとは原因不明の事件、厄災、政治的混乱の元となりそれらを振りまく存在だが、魔法少女にしか見えず、彼女らが主に魔獣退治の役割を担っていた。 つまり秩序、平和を保っているのは魔法少女達の活躍があるからと言っても過言では無い。 魔法少女は元は一人の少女で、[魔法妖精]が少女を魔法少女にする役割を担っていたが 、成長途中の、しかも少女である彼らにその役割は残酷なものがあろう。 そして、ダークマターと戦い尊い命を落とすか自身が魔獣と化してしまう事も決して珍しい事では無い。 その為、少女を魔法少女に契約させるには厳しい「条件」があった。 ひとつはその少女に自分自身(魔法妖精)が見えているか。 それは最低条件に過ぎない。 ここからが重要な条件である。 ひとつはその少女が孤児(みなしご)である事。 ひとつはその少女に失うものは何も無いか? ひとつはその少女が闇に染まっていないか? そうした条件を厳しく見ていき、ようやく魔法妖精は少女と契約を結ぶことが出来る。 しかしそれを破る結社も中には存在し、そこから派遣される魔法妖精はブラック妖精と呼ばれ、その結社もブラック企業のひとつだった。 そしてそのブラック企業は、世の混乱やブラック企業を撒き散らし続けているとの噂も魔法少女達の間で囁かれていた。 ーーーーキギョウSIDE 俺は間違いを犯してしまった。 俺は事もあろうか家族もいて、ちゃんとした友人もいるような、ごく普通の女の子を魔法少女にしてしまった…。 あの子のことだ…。 薄椅子 まほが魔法と言う力を手にしたばかりに過酷な戦いに身を投げざるを得なくなったのは俺のせいだ。 時間の流れは取り戻せない。 魔法少女から死せずして開放されるには魔法少女がいち早く魔法少女として成長して、彼女の意志で続けるか否かを選択できるようになるまで見守り、助けていくこと。 いつか、薄椅子 まほが この過酷な魔法少女の宿命から笑顔で出られるのなら…その為なら俺はどうなってもいい。 あの子を元気に送り出すこと 俺はその為に今、生きている。 ーーー事の発端はあの頃から始まった。ーーー まずはじめに軽く俺のことを伝えておく。 俺の名は黒井 キギョウ。 年は言えない…まあアラサーと言っておこう。 身長は185センチ、体重は72キロ、銀髪ロン毛に無精髭、ちなみに割りかし筋肉質…とそう言ったらどんな人物か把握出来るだろう。 え?出来ない? あまり聞くな、そんな男とだけ思っておいて欲しい。 俺は朝早くから夜遅くまで上司に怒鳴られながら1日の半分以上は働き、帰る頃にはすっかり真夜中で、ゾンビみたいな表情をしている。 サビ残もするぜ、何せ俺は社畜だからだ。 会社に身を捧げて忠誠を誓う。 何故ならそれしか生きる道が無いからだ。 俺はブラック企業でこき使われる不満からデモを呼びかける事にした。 パソコンを開きカタカタと文字を打つ。 「デモに参加する者ここに集え!共にブラック企業を撲滅するのだ!」 もうこき使われるのはうんざりだ! 何人集まるかは別としてこの運動で少しでもブラック企業が減ることがあれば俺の運動の甲斐はあったってもんだ。 ーーー数日後。 俺のパソコンに新着メールが来る。 働き蟲「俺も家に帰る事も出来ない程働かされた挙句恋人にも離れられ、辞める事も出来ない、是非参加させてくれ!」 む(=^^=)「私も亭主がブラック企業にこき使われて死亡しました。是非参加させていただきます」 *勇者ロベルト「俺もこの自称勇者がと暴言を吐かれ傷ついて解雇金を支払ってまでやめたが(中には辞める際解雇金を支払わなければならないブラック企業も存在する)再就職した所もブラック企業だった。どこもブラック企業なのか、これ以上転職したらどこも雇われないし金も無いので我慢し続けているがもう我慢の限界だ!」 ー来た来た♪ 事情は様々だが沢山の者達がブラック企業に不満を抱いているのは確かだった。 そして俺は軍隊を編成した。 *…霧生 叶さんの登場人物をここで使わせていただきました>_< ーーーー 「残業を減らせ!」 「パワハラ反対!」 俺を筆頭にするデモ隊は大声を張り上げながらプラカードを掲げて行進した。 そんな所制服を纏った警官がやってきて俺達を武力行使してでも捕まえようとしていた。 俺達は警官を跳ね除けようと応戦した。 それはやがて血のメーデーと化した。 街を巻き込む戦争。 だが未来の為、そして俺のように苦しむブラック企業従業員を減らすために! 俺も武器を振り上げ警官と戦った。 警官は拳銃を取り出し威嚇射撃を行った。 俺達は火炎ビンや催涙ガスを投げつけ先を通ろうとするが武器もやがて無くなる。 形勢は俺達が不利となった。 「隊長!もう武器がありません!どうしましょう!?」 隊長とはデモを主催した俺のことだ。 「ヤス、後の事は頼んだぜ!」 「隊長ーーーー!!!」 俺は参加してくれた皆が引き止めるのを無視して鉄の棒を片手に雄叫びを上げながら警察に突進した。 「く、来るな!」 警官はビビって拳銃を俺に向け撃ちだした。 けたたましく鳴る銃声。 その刹那、俺の目の前は真っ暗になった。 ーーー ……。 ……………。 ……体が動かねえ。 それになんだかブクブクと音が鳴っている気がする。 今、何時なんだ? ああ、腹が減ってきた。 俺はやがてとある場所にいる事に気がついた。 ここはカプセルの中のようだ。 しかし何故俺がこんな所に? やがてカプセルが開き俺はその場で目をさます。 そんな時、その向こうから女の子の声が聞こえてきた。 「気がついたかい?」 俺はその声を聞き、ふとその方向へ見やった。 俺が目を向けたその方向にはミニスカートを見せびらかすように履いている少女が誘惑するように俺を見ていた。 制服を着ているという事は女子高生なのだろうか? 金髪で少し目つきは悪いが美人に相当するだろう。 「ちょっと自己紹介するよ、あたいは苅田 キヤク、あんた警官に突っ込むなんて勇気あるね」 キヤクと名乗った女は俺にそう言ってきた。 「ここは何処だ?尋問室か?」 周りは何処かの科学者が使いそうな一面真っ白な部屋で機械が立ち並びパソコンやらがそこらかしこに置いてある。 そして俺はどうもさっきから体に違和感がある事に気づく。 さっきからいつもと体が別のものになっていると言うか…。 キヤクと名乗った女はそんな時俺に言った。 「いつもと慣れない体で戸惑っているのかしら?せっかくだから教えてあげるわ、貴方は[魔法妖精]になっているのよ♪」 「ま、魔法妖精…?」 俺の声は戸惑いのあまり裏声気味たものとなり、キヤクの言っていた事を復唱した。 「鏡をみてみなさい♪」 キヤクはある方向に指を指した。 キヤクの指指した方向には鏡があったが俺はその鏡をみて仰天した。 体が黒の毛むくじゃらで翼の生えた猫のような姿になっているではないか。 「なにーーーーーー!!?」 俺の悲鳴が部屋の向こうまで届く。 「驚いたかしら?貴方はこれから魔法妖精として働いてもらうわ♪」 キヤクはそう言い出した。 「働く…って何やるんだ?」 俺は戸惑いながらキヤクに聞いた。 「魔力のある女の子を契約させて魔法少女として活躍してもらうの、第2成長期くらいの女の子が理想かしら?」 「魔力のある…って見極められるものなのか?」 「大丈夫♪魔力のある人にしか貴方の姿は見えないわ」 (何が大丈夫だよ…) 俺はそう思ったが俺はその黒猫のような姿になって女の子を魔法少女にスカウトする仕事を請け負うことになってしまった。
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