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百円ショップワンコイン富久亜店の朝は早い。
店長は始発で、富久亜市駅で降りる。駅にある看板の表示では徒歩一分のはずだ。
敷地の広いパワーセンター内にある。雲に覆われながら、夏の太陽が昇り始めた。広い駐車場を数分歩く。
「今日も暑くなりそうですね」
狭い店内で男性店長は一人で、開店準備の、清掃と商品陳列を終える。ペットボトルのスポーツドリンクで、喉を潤す。
パワーセンター内にある系列ディスカントスーパーで、箱買いした。奥の事務室に置いてある。
店内の壁時計の針は、朝七時を指そうとしていた。
「今日も頑張ろう」
内側から、シャッターを開ければ、土砂降りの雨だ。
「天気予報では降水確率十パーセントだったんですがね」
店の前では、駐車場はほぼ満車だ。ボディーは雨に打たれていた。同じパワーセンター内にある、北登自動車のディーラーが開くのを待つ車だ。
HOKUTO《ホクト》のエンブレムが輝く車ばかりだ。
「傘立てと、傘用ビニール袋出さないと」
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