第二話 言うまでもなく

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第二話 言うまでもなく

 怖いものに対する耐性は人よりも自信があった。ホラー映画も好きだし、ゾンビものの海外ドラマのファンでシリーズも追っていて、スリルを楽しむため深夜に1人で部屋を暗くして見ることもあった。  信憑性を確かめたいため、まずは投稿しているアカウントのプロフィールを確認する。  フォロワー数20万……他に投稿されている画像や動画は、パーティ会場での自撮りに所有する船での旅の様子……真っ白な皿にのせられきめ細かく脂の線が見えるステーキに金色の時計。少なくとも本物の金持ちであることは間違いなさそうだ。  オズオワールグループってなんだっけ?スマホで検索してみる。なんのことはなくナオキが詳しく知らなかっただけで押しも押されもせぬ大企業だった。  主に海外に事業を展開していて何でもやっている企業らしい。そういえば色んなCMの最後にオズオワールグループの名前がチラッと出たり天使の羽のようなグループのロゴを所々で目にしている。  本物っぽいな…………。幽霊屋敷で幽霊を何体か相手すれば100億円か……。100億円……?100億円だと?…………ゴクリ。  ナオキは音が部屋に響くほど喉を鳴らしてしまった。100億円なんてものが手に入れば天国なんてものではない。言うまでもなく一生遊んで暮らせる額だ。もう二度と働く必要はなくなり、部屋でダラダラしていても衣食住に困ることなんてないのだから親からも誰からも文句もクソもなくなる。
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