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「この人だよ。」
たどり着いた場所は、通学路から離れた先日閉店になったばかりの駄菓子屋だった。
その駄菓子屋の前にあるものを目にした春樹は、声にならない悲鳴を上げた。
駄菓子屋の前には、1人の老人の男性が包丁で胸元を刺されて多量の赤黒い血液を流している姿があった。苦しそうに口を開けたまま…。
アスファルトを血液が赤黒く染めている。
老人はもう息を引き取ってしまったのか、一切動かない様子である。
それを見たセシルは、楽しそうにこちらに笑顔を見せる。
「この人、わるいことしたんだ。だから、セシルがやっつけたの。ほめてくれるよね?」
臆病な春樹は、その場をかなりのスピードで走り去った。
この夜、彼は恐怖で眠れなかった。
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