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夜が近づき、「今日は一度帰るよ」と紙織と浮橋は狭間に続く洞穴へ入って行った。どんな風に話を進めたのかは知らないが、「私も今日は帰るわ」と花美も大人しく帰宅した。
竹光は小屋で筆作りを進めていたが、どうせ一日では終わらない仕事の為、一度手を止めることにした。
作業に没頭すると水分も摂るのを忘れてしまう。ペットボトルを開け、五百ミリのお茶を一気に半分ほど胃に流し込んだ。
ふと、赤毛の髪が脳を過ぎった。この赤毛の持ち主は今日出会った夢妖の倅か、それとも楽師の妖か。竹光はちっと舌打ちした。
ごろんと体を横にし、一眠りすることにした。
*
あの日、いつもと違うことが起きた。狭間を繋ぐ門の方ではなく、この世への入口の方がざわついた。厄介な妖ものだろうかと警戒しながら小屋の外へ出ると、竹光は目を丸くした。
赤いランドセルを背負った人の子がいた。柵を超えてきたらしい少女は、衣服に着いた土や葉をパッパと払っている。どう見ても人の子だ。
この地は神隠しの土地として名高く、人々は決して足を踏み入れない場所だ。人間が狭間に迷い込んでしまう事例が絶えなくなった頃、当時門番を務めることになった妖が『ここは神隠しの土地だ』と噂を広めたのだ。その禁足地になぜ、人の子がいるのだろう。
少女はこちらに気づいた。一瞬、驚いて一歩後ずさったが、どう動くのかを観察しようと見ていると、向こうも竹と竹の間からこちらを見て、一歩ずつ近づいてきた。
「……おじさんもおばけ?」
「まぁ人間じゃないという意味ではそうだな。ただお化けっつわれると気分が悪ぃから、妖って言葉を覚えとけ」
「あやかし……?」
少女は怖がる素振りも見せずにきょとんと首を傾げた。
「小娘、お前なんでここに入った。ここは入っちゃいけないと言われてる場所だろう?」
「……黒いかたまりに追いかけられたから。鳥居くぐればおばけいなくなるの」
少女は淡々と話した。その事に妙な居心地の悪さのようなものを竹光は感じた。
「小娘、いいことを教えてやる。ここのはお前の知ってる鳥居とは別もんだ。今日は外まで送ってやるがここへは二度と来るなよ。決して安全ではないからな」
竹光は少女を抱え、柵の外に追い出した。
「そうだ。もう一つだけ教えといてやる。お前、その髪は常に長くしておけよ。どうしても逃げきれない時、小物の妖なら髪の毛一房で満足するだろう。ただ、味をしめると厄介だから本当に逃げきれない時だけにするんだ。わかったらとっとと家に帰りな」
竹光は背を向けて小屋に戻った。
翌日、少女は再びやってきた。
「来るなっつったよな?」
また柵をよじ登ってきたらしい。得意気に胸を張っている。
「おじさん、名前なんていうの? わたしは花美。『花が美しい』で花美」
「名前はいいからここには来るな」
花美と名乗った少女は、竹光の風貌に怯えもせず、むしろ好奇心に目を輝かせながら竹光に近寄ってきた。
「おじさん、ここで何してるの?」
「お前に話す必要あるのか?」
「ここ、一度入ったらでられないって言われてる。でもわたしはでられた。おじさんはここからでられないの?」
「質問の多い小娘だな…」
面倒になり、竹光はもう放置しようかと小屋に戻ろうとしたが、花美はついてくるのをやめようとしなかった。
「おい、ここには面白いもの何も無いぞ」
「おじさんがいるよ?」
不思議そうに首傾げんな、俺は面白くねぇ。竹光は腹を立てたが、子供相手にぐっと堪えた。諦めて小屋に入ると、やはりついてきた花美が「おじゃまします」と中に来た。
「ここはおじさんち?」
「そうだ」
「わたし、友だちの家とかあそびにいったことないの。よそんちはじめて」
「友達いないのか」
「いないよ。みんなこわがるから友だちになれない。家族もこわがるから、いつもぎりぎりまでそとであそんでる。ひとりでだけど」
部屋の奥に進もうとしていた竹光は、思わず後ろを振り返った。少女は靴を脱がず式台に腰掛け、どこか遠くを見つめている。人の子だろうが妖の子だろうが、子供は無邪気であるべきではないのだろうか。
「小娘、妖の類はいつから見えてる」
「んー、わかんない。ずっと見えてたよ。ほかのだれにも見えてなかったけど」
今思えば、この時この少女を哀れと思ってしまったことが、竹光の最初の間違いだったかもしれない。
おじさん、と毎日のように花美はやってきた。面倒になった竹光は、門に入らないことを絶対条件に花美が来ることを承諾した。
淋しげな目をしていた少女はここに来る時だけ目に光を宿す。学校の終わる時間になるとランドセルのままやってきて、夕方の暗くなる前には自発的に帰っていく。
気がつけば中学生になり、制服というものを身につけるようになった。紺色のブレザーに臙脂のリボン。人も妖も子の成長はあっという間だなと感じた。竹光の教えを守り髪も伸ばし続けている。
「お前よぉ、中坊になったんならこんな所に来てないで、人間社会で上手く生きてけるように社交性っつーもんを身につけたらどうなんだ?」
「竹光おじさんに言われたくないわ。仙人みたいな暮らししているくせに」
仙人じゃなくて筆師兼門番だ、と言い返す。
「小学校と中学校ってあまり変わらないの。私立にでも行かない限り、ほとんどの子は同じ中学に進学する。だからもう手遅れなのよ」
軽い口調でなんでもないように話している。花美は学校や家のことをあまり話さない。ほとんどが図書館で借りたという本の話か、どんな妖に遭遇したとか、その日食べたご飯の話だとか、そういう話だった。
赤毛の楽師がやってきたのは、一年前の夏だった。
「緋楽と申します。あなたが竹司の竹光殿ですか?」
竹司、と言われたのは何十年ぶりだろうか。
「俺ァもうあの一族は出てる。今はここで門番しながら筆しか作ってねぇ一介の妖だ」
「……では、一介の妖の竹光殿。唐突ではありますが、私に笛づくりを教えて頂けないでしょうか」
緋楽は終始笑顔だが、胡散臭さを感じさせない不思議な妖だった。
話を聞けば、緋楽は妖の間でも有名な楽師一族の一人で、笛吹としての腕を上げるため、笛そのものをよく知りたいということで竹光の元にやってきたらしい。弟子は取らない主義だ、笛づくりを学びたいなら竹司一族の元に行けと断ったが、丸々二日粘られて根負けした。
高校生になり、地元から少し離れた高校に通いながらアルバイトを初めた花美は、以前ほどここに通わなくなったが、仕事のない日には顔を出していた。
花美が緋楽と初めて会ったのは、緋楽がやってきて三日目のことだった。
「竹光殿、あの少女は一体…」
花美が帰ったあと、真っ先に尋ねられた。
「見ての通り人の子だ。下手な妖より力の強いな。もう十年近くここに来てはべちゃくちゃ喋っている」
「…彼女は……人の世界に居場所がないのですか?」
気遣わしげな声で緋楽は言った。
「人も妖もひとりじゃ生きてけねぇってことなんじゃねぇの?」
花美は親ともいい関係性が築けていないのだろう。友の一人もいない少女は、話ができると言うだけでこんな風貌の妖に懐いてしまい、それが今なお続いている。強がっていても孤独を感じざるを得ないのだろう。
「妖も…というのは、竹光殿もですか?」
「アホ。俺は望んで一族を出た身だぞ。そんなわけあるか」
それは失礼いたしました、と緋楽は笑った。いつもの笑みよりもほんの少し淋しげに見えたのはきっと気のせいだと竹光は自分に言い聞かせた。
目に見えてわかった。花美の緋楽への懐き方が自分に対するそれとは違うこと。付き合いの浅い緋楽の本心はわからないが、恐らく満更ではないのかもしれないということ。
人と妖の時の流れは違う。可哀想にな、と竹光は思いつつ、特に止めることはなかった。止められるはずもなかった。やめろと言ってやめるくらいなら、花美は最初からここに通い続けなかっただろう。
緋楽がやって来ておよそ一年後。
その日、いつものように竹光が筆をつくっていると、不意に竹光の耳に笛の音が届いた。何かがおかしいと思い小屋の外に出ると、門の前で倒れている花美と、笛を持った手を力なくだらりと下げた緋楽がいた。その目には涙が溢れていた。
「……眠っているだけです。そんな怖い顔しないでください」
「…地顔だ」
「いいえ。竹光殿はちゃんと彼女に愛情を注いでますよ。私には仲睦まじい親子にしか見えなかった」
ふん、と竹光は鼻を鳴らした。
「竹光殿、今までありがとうございました。どうかお願いです。もう私のことは忘れるよう、花美に伝えください」
「……どういうことだ」
緋楽はしゃがみ、倒れている花美の顔にかかっている髪を耳にかけた。
「私は妖ですから…彼女の想いに応えることが出来ません。だから、忘れてもらうのが一番いいのです」
「……べそかきながら言うことがそれか」
悲しげに微笑んだかと思えば、緋楽は笛に口をつけた。
―しまった、と思った時にはもう遅かった。身体が金縛りにあい、動くことはもちろん声を上げることも出来なくなった。
緋楽は竹光に頭を下げると、門の向こうへと姿を消した。金縛りが取れたのはしばらくしてからで、もうどんなに探っても緋楽の足跡は辿れなくなっていた。
この日、近くでは花火大会が行われていて、近くの空にドン、ドン、と打ち上がる音が皮肉のように鳴り響いていた。
*
「おい、おっさん。門番としてどうなんだよ。全く気づきもしないで寝こけてるなんて」
ずし、と腹に重みを感じて目を開けると、学ラン姿の紙織が視界に入った。イラッとした竹光は、自分を踏みつけていた足首をガシッと掴み、紙織を真っ逆さまにした。逆さまにされた方は「うおっ」という声を出したものの、特別驚いた風もなく、手をぶらぶらさせて竹光を見上げている。お下げ髪もしめ縄のようにぶらんとしている。
外の明るさからして、どうやらそのまま眠って朝になっていたらしい。
「昨日の今日でなんだ、手紙屋」
「やだなぁ、わかってるくせに」
紙織は土間に手をつき、空いていた方の足で竹光の手を叩いた。掴まれていた足が解放され、身体を上手く反らして着地した。相変わらず身のこなしがしなやかで軽い紙のようだと、竹光は腹を立てた。
「あ? なんかまた違う男連れてるな」
戸の近くに立っている背の高い男の妖が愉快そうな顔でこちらを見ていた。
「お初にお目にかかります。夢幻、夢妖一族の遊生と申します。以後お見知りおきを」
「絵に描いたようにチャラくて胡散臭いやつだな」
「いやぁ、それほどでも」
「褒めてねぇ。今日は逆夢の倅…浮橋じゃねぇんだな」
そう言えば、紙織は渋い顔をした。
「今日は仕事が立て込んでるからって代わりに遊生を寄越してきたんだ。あいつ、僕のこといつまでも子供だと思ってるんだよ。この世に一人で行くことを許しちゃくれない」
紙織は逆さまにされた時に落とした帽子を被り直した。
「まぁまぁ、むくれないでよ。愛されてる証拠さ」
へらへら笑いながら遊生は紙織の背を叩いた。
「その格好やめればいいんじゃないか? その辺でフラフラしてる人間の小僧にしか見えん」
「えー、これ結構気に入ってるんだよ。似合ってるだろ?」
知らん、と竹光は舌打ちした。
「聞きたいのはどっちのことだ。緋楽か? 小娘か?」
「なんだ、やっぱりわかってるじゃないか」
満足そうに言うと、靴を脱いでズカズカ中に入ってきた。ちゃぶ台を前に腰を下ろし、竹光にも正面に座るよう台を叩いて促した。遊生は座る気がないのか、いつまでも戸のそばに突っ立っている。
「昨日、花美には僕の手紙の諸々を説明して、色々制約もあるからまずは下調べさせて欲しいって伝えてあるんだ。おっさん、緋楽ってのは何者なんだい?」
「…旅芸人一座の出身だったらしいことしか知らねぇ」
「やっぱりね。調査済みだと思ったよ。一座の名は?」
「閑雅一座っつーところだ。だがもうそこにはいねぇ。座長候補だったらしいが、俺のところに来るのをきっかけに退団したんだとよ」
ふーん、と気があるのかないのかよくわからない返事をしたかと思えば、紙織はカバンをあさり中から紙を一枚と筆、インクを取り出した。サラサラと何か書いて折りたたんでいる。出来上がったのは紙飛行機だった。掌に乗せ、ふーっと息を吹きかけると、紙飛行機は宙に浮き、戸の外へ猛スピードで飛んで行った。戸口に立っていた遊生は、首を傾げて飛んでくる飛行機を避けた。
はぁ、というため息をつき、竹光は紙織の前に腰を下ろした。
「で、何が聞きたい?」
睨むように見たが、怯むことなく紙織は言った。
「……竹光さんさ、あんたもしかしてどっか悪いとか言う?」
「……なぜそう思う」
「三十年の付き合いを甘く見るんじゃないよ? 浮橋も調べてくれたんだけど、ここ数年あんた大活躍じゃないか。ここの門周辺にちょっとめんどくさい妖が増加しているのを軒並み払ってるだろう。力の使いすぎじゃないの?」
夢妖の類のやつに嘘はつけないんだったな、と竹光は思い出した。
「じゃあわざわざ聞かなくても想像はついてるんだろ?」
「増加し始めたのは十年ほど前。下手な妖より強い妖力を持つ花美は、小物の妖にとってはさぞ美味しそうな香りをしてるんだろうな」
花美を取り込みたい中途半端な妖はたくさんいる。弱い妖を何匹と食らうより、妖力が強くとも使い方を知らない人間の方が楽に狩りが出来るというもの。妖にとって花美みたいな人間はご馳走だった。しかし、花美には竹光がいた。
「竹光さん、あんたずっと、花美を守ってたんだろ? 花美から彼女とは別の妖力を感じてね。何か持ってるか聞いたら見せてくれたよ。竹で編んだお守りを。あんた、あんなものも作れちゃうんだな」
竹光の妖力を込めた石を入れた竹細工のお守りは、花美の『香り』を消すためのものだった。敏感な妖じゃなければ気づけない。完全に防げるものでは無いが、襲ってくる小物の数はぐっと減らせる。
「けどあれは、自分の妖力を削るお守りだ。あんたはずっと、休みなく力を使い続けてる状態で、ガタが来ててもおかしくないんだ。それに、十年近くここに通い続けていた花美と一度も僕が対面してないのもちょっとおかしい」
「会わせないようにしてたからな。変な好奇心で門の向こうに興味持たれても困る」
「娘の心配をする父親みたいだな」
緋楽にも言われたな、と竹光は呟いた。
「身体…どこがおかしいの?」
「どこがってわけじゃねぇ。単に寿命の長い妖でも避けられない老いってやつだ。おいそこの夢妖の小僧、隠さず喋るから記憶探ろうとするんじゃねぇ気色悪ぃ」
「あや、バレてましたか」
遊生は悪びれもせず笑った。
「別に今すぐどうこうなる訳じゃねぇ。ただ、そろそろ門番は引退して、狭間に帰って隠居生活でもしようか考えてたんだ。代わりの門番をお前らに見繕わせるもよし、いっそあいつに…緋楽に任せちまおうかと思いもしたんだが、あいつはどこかへ行っちまったしな。一座の人間も行方は知らないらしい」
「だからあの子を僕に託そうとしたの?」
「まぁ、概ねそんなところだ」
緋楽がいなくなってからの花美は、傷心どころか下手すれば門を通っていってしまいそうな勢いだった。生きている人の子に狭間は危険すぎる。お守りもある程度強い妖には意味が無くなる。
「門番はそろそろ若いやつに代替わりさせてもらうとして、問題はあの小娘だった。同情ついでにあんなもん作っちまった手前、ある程度小娘の所在がどうにか落ち着くのは見届けないといけねぇ。飼い主の責任ってやつだよ」
「いいおっさんのツンデレは可愛くないぞ」
「ツンデレってなんだ?」
知らない方が身のためだよ、と紙織が笑うので、いい意味ではないのだなということは悟った。
「まぁ、俺じゃあもうどうしようもないからな。あいつの気が済むようにお前の力に頼るもよし。昨日は浮橋がいたから、いっそあいつの記憶を抜き取ってもらうもよし。最終判断はお前に任せるっつったろ?」
「無責任なんだかそうじゃないんだかなぁ」
「うるせぇ、俺もお手上げなんだ。だから筆の代金と交換条件でいいっつったろ」
神獣の筆なんて高くつくんだぞ、と竹光は睨んだ。
「緋楽が見つかればそれで満足なのか、帰ってくればいいのか、それは俺にもわからん。筆じゃ額が足りなかったらまた請求してくれりゃいい」
「……わかった」
紙織は今日一番に真剣な顔をした。
「何度でも聞くけど、おっさん本当に病気とかではないんだよね?」
「ああ、大丈夫だ」
そう、と紙織は呟いた。
「とりあえず、色々調査するよ。おっさんの引退話も浮橋に通しておく。狭間に帰るって話は内緒にしておくけど、花美には自分でちゃんと話すんだぞ」
それだけ言うと、用事は済んだとばかりに紙織は遊生と共に狭間へ戻って行った。
ふと、結界の外に黒い影が見えた。あぁまたか、今はいないぞとぼやき、竹光は懐から先を鋭く尖らせたクナイのような竹を影に向かって投げた。影に刺さると小さな悲鳴が聞こえ、そのまま消えた。
「……めんどくせぇな」
手を開いて閉じてを繰り返し、しばし掌を見つめたあと、頭をかきながら小屋に戻った。
*
「いやぁー、引退考える意味がわかんないくらい強い人だねぇ。覗こうとしたのぜーんぶ弾かれちゃったよ」
洞窟の通過中、遊生はおどけて言った。
「あの人の記憶覗くより、大長に酒盛って吐かせる方が早いと思うよ。百年以上の仲だって言うし」
「あー、あのおっさん酒も弱けりゃ口も軽いからなぁ」
今夜辺りやってみようかな、といい笑顔で遊生は呟いた。浮橋の父親である逆夢は、大層な妖だが身内には甘い。危機管理は大丈夫なのだろうかと紙織も時折心配になる。
「竹光さんは元々持ってる妖力が桁外れだったからね。…にしたって十年も妖力垂れ流しで平気なんて意味がわからない」
狭間へと続く洞窟は、誰かが通ると等間隔に灯りがつくようになっている。昔、火を操る妖がこの仕組みをつくったらしい。おかげででこぼこした足元も明るく、転ぶことも迷うこともなく進めるのだ。
「中々ない厄介な仕事だなぁ」
「竹光さんの引退が絡むと俺らの管轄にもなるからね」
だからこそ、浮橋は今、他で動いているのだ。
「ま、協力頼むよ。僕も力は尽くす。早くしないとおっさん本当に危なくなっちゃうから」
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