英雄アダム・ロージア

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英雄アダム・ロージア

この星の大陸が一繋ぎだった時代。 ロージアン帝国の若き王にして神の子アダム・ロージアは誰もが成し得なかった全大陸統一を果たし、世に平和と繁栄をもたらした。 しかし、突如として現れた闇の魔王サタン・ハザムによって、世の平和が乱れ始める。 サタンは野獣の姿をした魔兵を従えてロージアンの領土を侵しては民を拐い、村や街を焼き払いながら首都ロージアンへ進軍していた。 その所業を食い止めるために、アダムはサタンが率いる魔軍に決戦を挑む。 アダムの配下の10騎将軍と共に戦の神の加護を受けながら、魔軍と5人の魔将軍を次々と撃ち破ったアダムは、サタンを戦神ビシャが宿るローズ山に追い詰めた。 激闘の末、アダムはサタンの首に聖剣エクスリオンを打ち突けて倒したのだった。 これで戦いは終わったに見えたがサタンはもがき苦しみながらも死なず、鼓動は一向におさまる気配がなかった。 アダムは困り果て、ロージアンの守護神ビシャに願い出て神の御告げを賜ることにした。 「我が父、ビシャ様。サタンは不死身です。どうしたら、彼に安らかな死を与えてあげられるでしょうか」 ビシャは答える。 「サタン・ハザムをローズ山の地中深くに埋めよ。さすれば我が力によって、魔王を封印しよう」 アダムは御告げ通りにローズ山の麓にサタンを生き埋めにし、ビシャの神力によって封印したのだった。 再び平和な世を取り戻したのも束の間、サタンの血の呪いによってアダム・ロージアは倒れ、その波乱に満ちた生涯に幕を閉じることとなった。 しかし、彼の正義の行いと意志はロージアンの民へと受け継がれ、そして彼の英雄伝説は未来永劫、語り継がれるのであった。
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