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Prologue
あたしは視線の先の背の低い女の子を想った。あの子は変だといつも思う。あたしみたいな社会の屑に好き好んで話し掛けてくる意味が分からない。いくら邪険に扱ってもいつもあたしに笑顔を向けてくるあの子はきっと、この世界に必要とされている人間なのだ。
なのに、優しさの塊みたいなあの子が傷付けられるのはどう考えても間違ってる。あたしのせいでこんなに傷付いて、泣かせるなんて最低だ。しかも、あの子に降りかかる悪夢は全てあたしのせいなのに、あたしはこの子を救えない。あの子が助けて、と伸ばす手をあたしは握れない。
だから、あたしはこの世界なんか滅びればいいと思ってる。
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