スターウォーズ以前

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スターウォーズ以前

   『スターウォーズ』の続き、夜明け前編。  さて、拙作『ノヴァルナ』も当然、多大な影響を受けた『スターウォーズ』ですが、今回はその公開前の世界の記憶をご紹介したいと思います。  『スターウォーズ』が公開される前、それはSF映画と言えば、B級ゲテモノ映画という評価が一般的でした。  無論すでにキューブリック監督の『2001年宇宙の旅』があり、『猿の惑星』は好評を得てシリーズ化、『ミクロの決死圏』や『サイレントランニング』のハード系SFに、『華氏451度』や、これもキューブリック監督の『時計仕掛けのオレンジ』といった社会派SFなど、評価の高い作品もありましたが、やはりそれ以前の白黒映画時代からの荒唐無稽なイメージが強く、人前で語るのは憚れる地位に甘んじていました。  私自身、学校でこういった話題を口にする事は無く、またたとえ口にしたところで、誰にも理解されないのは分かっていました。まぁそもそも、普段外で暗くなるまで遊び回っていた私ですので、友人達はそういったものが好きだとは、考えもしなかったはずですが(笑)  ただB級にはB級の良さがあるのも事実で、一時期スピルバーグがリメイクを希望した『禁断の惑星』や、宇宙戦艦ヤマトに影響を与えた『宇宙水爆戦』、『エイリアン』のヒントになったのではないかと噂される『恐怖の怪奇惑星』、スタニワフ・レムの小説を映画化したソ連製ハードSF『惑星ソラリス』といった作品が、テレビ放映される度に私の心を揺さぶってくれました。  しかしこういった作品はレベルが高い方で、さらにその下級のC級SFでは、恐竜と称して妙な背びれや角を貼り付けられた、本物のワニとオオトカゲが無理矢理戦わされて、噛み付き合いをしている光景を大写しにしただけの動物虐待映画や、ただ単に大写しした蟻や蜘蛛をビルやスタジアムと合成した、巨大昆虫の脅威!…みたいな低予算丸出し映画もありました。  近年、鮫をテーマにしたトンデモ映画が密かに流行っているようですが、ある意味、自由過ぎる発想のB級C級の映画が、生き残る余地があるのは嬉しい事です。新しい流れとはそういったものの中から現れたりもしますので。  では今回はここまでです。  
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