翻弄

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あっという間に時間は過ぎカーテンから西日が漏れる夕刻を迎え、昼からの酒で心地よく酔った馬渕と和泉は、古川と理沙の入る隙が無い程すっかり仲良くなっていた。 ワインは2本目の白から赤に変わり、洗い物を終わらせると二人はソファーの上で気持ち良く寝息を立てている。 「まるで子供だな」 「良いんじゃない、楽しかったんだし。あれぐらいの羽目の外し様なら見てるこっちも悪い気はしないでしょ」 「まるで母親みたいなこと言うな」 「成る気はあるのよ母親に、後は旦那さん候補次第なんだけどね」 不意打ちに釘を刺された、何の気なしに言った言葉が墓穴を掘ることになるとは。 やっぱり求めているんだろう、「結婚しよう」の一言を。 すっかり日が落ちた頃、寝ていたい二人は目を覚まし、会はお開きになった。 玄関のドアが閉まる寸前まで和泉の笑顔は絶えることなく、穏やかで幸せな休日を過ごせたように思えた。
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