混乱と同調

1/28
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/99

混乱と同調

Turn Around 夕刻を告げる西日が非情な宣告に拍車をかける ヒグラシが奏でる自由な旋律は傷心には無音に等しく ほんの少し前まで道を照らす希望は水屑となった 黒と白が我が家に色付けされ父親は落胆し俯いている 台所ではせわしなく動く女性たちと気丈に振舞うふりの母親 ここには僕の居場所が無くなった 無抵抗に打ち寄せる波さえ美しく見えた海 堤防に積み立てた喜びは悲劇が打ち上げられ足が遠退くだろう 人の気持ちも知らずに限られた時間の中で止まない蝉時雨 新しい居場所を求め長いトンネルを抜けなければ 振り返る暇のない憧憬を探しに
/99

最初のコメントを投稿しよう!