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第三話 恋の悩み
翌日の昼休み。
僕は、最近仲良くなり始めたクラスメイトと、教室でお弁当を食べていた。
「俺、あかんわ~……」
「どしたん?」
「恋やわ、恋……。今度、生徒会長になった三年生の女子に、一目惚れしてしもたわ~……」
恋の悩みを打ち明けた
「えーッ! そうなのッ!」
「そうなんだよ~。二つ年上で、知的で色っぽいんだよね~」
「へぇ~、そうなんだね~……」
彼女のことを思い浮かべながら、ぼんやり、ニタニタ、デレデレと、ごはんを口に運んでいると、
「その~、生徒会長になった三年生の赤井って~……、俺の姉ちゃんだよ!」
「んっ? えーーーーーーッッッ!!!」
な、な、何とッ! 僕が恋する赤井さんって、赤井くんのお姉ちゃんーーーッッッ?!
「えーッ、おまえが俺の、"弟"、になるのかよーッ!」
「……って、随分、気が早くねッ?!」
「善は急げって言うじゃないか。今日から、"お兄さん"、って、呼んでくれたまえ」
「お兄さ~~~ん! お年玉ちょうだ~~~い!」
「バカ言ってんじゃないよッ!」
「お兄ィ~たま~~~ッ!」
「もう~、あっち行けよ~ッ!」
「♪何でだよォ~、何でだよォ~、な、な、な、何でだよォ~♪」
「何か、ビミョ~に、歌詞が違うような気がするんですけど~……」
それにしても、入学して、最近仲良くなり始めた赤井くんと、気が早いにせよ、"兄弟"、になるかもって思うと、ほんと、人の縁って、おもしろいもんなんだな~。
ー 第四話へ、つづく ー
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