8人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
第四話 ワイルドな衝撃
赤井くんとお弁当を食べながら、いろいろ話していると、
「うちの姉ちゃん……、彼氏、いないみたいだぜ~」
と、一言。
「マジッ! ヤッターッ! バンザーーーイ!」
「ワイルドだろ~?」
現在、赤井さんに、彼氏がいないことが、ワイルドなのかどうなのかは知らないけれど、僕は決めた!
生徒会活動、めっちゃ頑張るぞとッ! 赤井会長を支えるんだぞとッ!
「うちの姉ちゃんの、ワイルドな情報、一つ、教えてやろうか?」
「教えて教えてッ!」
すると、赤井くんは、回りの誰にも聞こえないように、僕の右耳に、両手を筒状にして押し当てて、小さな声で、コソッと、ささやいた。
「……大きな声では言えませんが~……」
「言えませんが~……」
「……小さな声では聞こえません……」
「……って、おいおい、ギャグ挟むね~! 挟んで来るよね~! もったいぶるよね~!」
僕は一旦、赤井くんの両手を右耳から離して、ニヤケながらツッコミを入れた。
「アハハ、ごめんごめん!」
赤井くんは、そう言いながら、再び、僕の右耳に、両手を筒状にしてささやいた。
「うちの姉ちゃん……、清楚で真面目なイメージなんだろうけど~……、実は~……」
「実は~?」
「毎日~……」
「毎日~?」
「大胆にも~……」
「大胆にも~?」
「Tバックなんだぜ~ッ!」
「んっ? えーーーッッッ!!! マジーーーッッッ!!!」
僕は、思わず、大きな声でビックリしてしまったので、クラスのみんなが、こっちを向いた。
「あ、みんな、ゴメンゴメン! 何でもない何でもない! アハハハハ……」
僕は、とっさに右手で頭を掻きながら、その場の空気を取り繕った。
取り繕ったものの、僕のエロ妄想には、スイッチが入った!
「うちの姉ちゃん、見掛けによらず、ワイルドだろ~?」
「ワイルドだね~! セクシーだね~!」
で、再び、赤井くんが、僕の右耳に、両手を筒状にして押し当てて、
「……それも、毎日、赤いTバック!」
「××××××ッ!」
「真っ赤なTバックなんだぜ~!」
「××××××ッ!」
「ワイルドだろ~ッ?!」
「××××××ッ!」
僕は思わず、「えーーーッッッ!」と、大きな声でビックリしてしまいそうになるところを、必死に両手で口を塞いだ。
僕は、赤井くんの両手を右耳から離して、少し小鼻を膨らませながら、半笑いで、赤井くんに小声で訊ねた。
「昔っから?」
僕は、もう、プリンッ! とした、赤井さんの、清楚で真面目な清く正しき愛しいお尻が、真っっっ赤なTバックのセクシーおパンティを纏っているという、そんなエッチな妄想、妄想に次ぐ妄想で、大忙しだった!
頭の中が、もう師走?!
「アハハ、いやいや……、生徒会長になってからだよ」
「へぇ~、そうなんだ~」
「『生徒会長として、責任を果たすんだーッ!』って、毎日、赤い褌を、キュッ! と締め込んで、気合いを入れるイメージなんだってさ!」
「へぇ~、そうなんだね~」
やっぱり、赤井さんは、真面目で誠実な人なんだな~。生徒会長としての気合いを、赤い褌に見立てた赤いTバックに、ギュッ! と込めて、キュッ! と締めて、毎日、全力で、生徒会活動に、取り組もうとしてくれているんだな~。
ほんと、尊敬すべき人だ!
益々、彼女のことが好きになった!
そんな誠実な赤井さんの思いとは裏腹に、ただただ、男のスケベ心で、エッチな妄想を、パンパンに膨らませていたという、そんな自分が、とても恥ずかしい……。
ー 第五話へ、つづく ー
最初のコメントを投稿しよう!