第四話 ワイルドな衝撃

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第四話 ワイルドな衝撃

 赤井くんとお弁当を食べながら、いろいろ話していると、 「うちの姉ちゃん……、彼氏、いないみたいだぜ~」  と、一言。 「マジッ! ヤッターッ! バンザーーーイ!」 「ワイルドだろ~?」  現在、赤井さんに、彼氏がいないことが、ワイルドなのかどうなのかは知らないけれど、僕は決めた!   生徒会活動、めっちゃ頑張るぞとッ! 赤井会長を支えるんだぞとッ! 「うちの姉ちゃんの、ワイルドな情報、一つ、教えてやろうか?」 「教えて教えてッ!」  すると、赤井くんは、回りの誰にも聞こえないように、僕の右耳に、両手を筒状にして押し当てて、小さな声で、コソッと、ささやいた。 「……大きな声では言えませんが~……」 「言えませんが~……」 「……小さな声では聞こえません……」 「……って、おいおい、ギャグ挟むね~! 挟んで来るよね~! もったいぶるよね~!」  僕は一旦、赤井くんの両手を右耳から離して、ニヤケながらツッコミを入れた。 「アハハ、ごめんごめん!」  赤井くんは、そう言いながら、再び、僕の右耳に、両手を筒状にしてささやいた。 「うちの姉ちゃん……、清楚で真面目なイメージなんだろうけど~……、実は~……」 「実は~?」 「毎日~……」 「毎日~?」 「大胆にも~……」 「大胆にも~?」 「Tバックなんだぜ~ッ!」 「んっ? えーーーッッッ!!! マジーーーッッッ!!!」  僕は、思わず、大きな声でビックリしてしまったので、クラスのみんなが、こっちを向いた。 「あ、みんな、ゴメンゴメン! 何でもない何でもない! アハハハハ……」  僕は、とっさに右手で頭を()きながら、その場の空気を()(つくろ)った。  取り繕ったものの、僕のエロ妄想には、スイッチが入った! 「うちの姉ちゃん、見掛けによらず、ワイルドだろ~?」 「ワイルドだね~! セクシーだね~!」  で、再び、赤井くんが、僕の右耳に、両手を筒状にして押し当てて、 「……それも、毎日、赤いTバック!」 「××××××ッ!」 「真っ赤なTバックなんだぜ~!」 「××××××ッ!」 「ワイルドだろ~ッ?!」 「××××××ッ!」  僕は思わず、「えーーーッッッ!」と、大きな声でビックリしてしまいそうになるところを、必死に両手で口を(ふさ)いだ。  僕は、赤井くんの両手を右耳から離して、少し小鼻を(ふく)らませながら、半笑いで、赤井くんに小声で(たず)ねた。 「昔っから?」  僕は、もう、プリンッ! とした、赤井さんの、清楚で真面目な清く正しき(いと)しいお尻が、真っっっ赤なTバックのセクシーおパンティを(まと)っているという、そんなエッチな妄想、妄想に次ぐ妄想で、大忙しだった!  頭の中が、もう師走(しわす)?! 「アハハ、いやいや……、生徒会長になってからだよ」 「へぇ~、そうなんだ~」 「『生徒会長として、責任を果たすんだーッ!』って、毎日、赤い(ふんどし)を、キュッ! と()め込んで、気合いを入れるイメージなんだってさ!」 「へぇ~、そうなんだね~」  やっぱり、赤井さんは、真面目で誠実な人なんだな~。生徒会長としての気合いを、赤い褌に見立てた赤いTバックに、ギュッ! と込めて、キュッ! と締めて、毎日、全力で、生徒会活動に、取り組もうとしてくれているんだな~。  ほんと、尊敬すべき人だ!   益々、彼女のことが好きになった!  そんな誠実な赤井さんの思いとは裏腹に、ただただ、男のスケベ心で、エッチな妄想を、パンパンに膨らませていたという、そんな自分が、とても恥ずかしい……。 ー 第五話へ、つづく ー
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