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「ああ、そうですか、それは運が良かった。実は私は道に迷ってしまって困っていたのですが、この森を出るにはどう行けばいいでしょうか?」 「ほっほっほ!わしがそんなことを教えるようなお人よしに見えるのか?」 「えっ・・・」 「ほっほっほ!わしはお前のように美しくて屈辱を味わったことがなくて知らぬが仏でのうのうと生きておる人間を見ると、嫌気が差して、むしゃくしゃして、腹が立って、どうしようもなくなるのじゃ!じゃから一思いに八つ裂きにしてやりたくなったんじゃが、それではお前が恥も苦労も知らずに死ぬことになるから面白くない。じゃから、お前を思いっきり醜い姿にして恥を晒させ苦労を味わさせてやる!」  魔女はそう言ったかと思いますと、持っていた杖を王子さまに突きつけました。
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