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 それを水の底で聞いていたヒキガエルは、とても不憫に思いましたので毬を探し出して娘に返してやろうと思いましたが、いや、それだけでは自分がヒキガエルの儘になってしまうではないかと思い直しました。ですから毬を探し当てますと、「これが魔女が言っていた娘の毬か、よし!」と閃いて、まずは条件を付けて娘に家に連れて行ってもらおうと水面に上がって言いました。 「ねえ、ねえ、娘さん、そんなに泣いていたらあなたを照らしているお日様だって悲しみますよ。」
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