夏祭りの日と、恋する俺と。

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 好きなやつがいる。やべえぐらいの片想いだ。  なんつっても「おぎゃあ」と泣きわめく赤ん坊ンときからヤツに惚れて──いや、それは言いすぎか、訂正する。物心ついたときから俺のハートを鷲掴んで持ってっちまった野郎に、かれこれ二十五年もひっそりと勝手に思いを寄せてるってわけ。  好きで好きで頭ンなかバカになるぐれえ好きで、ヤツのこと考え過ぎて勉強すら手につかねえ始末だった。気づけば本当のバカになっちまったが、それでも初恋ちゃんを目で追ってるだけで俺は毎日がハッピーだった。よってバカに成り下がっても後悔はねえ。  二十五歳ンなっても定職に就くこたねえ俺のことをやたら気にかけてくれる優しいやつ。月に一度は俺に合いそうな仕事だつって、いくつか求人情報を集め斡旋してくる俺と家がとなり同士の幼馴染。律儀にも書類にまとめファイリングして手渡してくるあたり、つくづくクソ真面目なリーマンだなって感心しちまう。  俺とあいつは対照的か。俺が毎日に楽しさを求めるのに対し、やつは日々を堅実に過ごそうと努める。いい大学に通って、卒業後は誰でも聞いたことぐれえある大企業に就職した幼馴染は出世街道つっ走るエリート。あいつは俺の自慢、そんなダチを持った俺はひそかに自分を誇りに思っている。

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