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夏の嵐③
凉は目を瞑っていた。夕子がそのまま畳に強く叩きつけられて脳震盪を起こす状況が浮かんだ。
もう一度目を開けると夕子は宙返りをして絵里の右手を取り一本背負いをかけてるシーンだった。
勝負は一瞬のうちに決まった。
畳に叩きつけられたのは絵里の方だった。
夕子は素早く倒れてる絵里の方へ駆けつける。
そして上体を起こし活をいれる。
絵里は気を失いかけてたが、すぐに我にかえる。
「うう‥おまえ強いな。私の完全な負けだ。」
夕子はメモリックスを見せる。
‥柔道を子供の頃からずっとやってました。絵里さん、どうもすみませんでした。」
勝負を見ていた凉と士郎が駆け寄る。
「絵里大丈夫か?」
絵里が呟く。
「あんた達見てたのかい。ぶざまだよ。このお嬢さん、半端じゃないよ。さああんたの勝ちだ。なんでも言うこと聞くよ!」
差し出したメモリックスには
‥わたしのお友達になってもらえないですか?‥
と書かれていた。
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