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内容は、学校で習う物から一般常識、魔法の基礎知識、魔物の名前や特性など冒険者として必要な知識が問われている
二人は学生生活の真っ最中だ
分からない問題は数少ない
一気に問題を解いていく……はずだった
キリトス
『(よぉ~し!順調、順調!ギルドの筆記試験って難しいのかと思っていたけど、そうでもないな!これなら、余裕を持って終わらせられるぜ!よっしゃ!あと、3問。簡単に解いて………やって……んんっ……?)』
キリトスが詰まった問題は、冒険者として活動しているとき危機的状況に陥った場合どのように対処するか、という問題である
キリトス
『(嘘だろ、そんなのでるの?えっと、なになに……四人でパーティー組んでて、内二人が重症、一人は軽症だが魔力不足で自分は軽症と。んで、その状況でライニングベアに遭遇………って一体どんな状況だよっ!!それで、あなたはどうしますか?って?とりあえず、距離取って、少しでも動けるように仲間に回復魔法をかけて…)』
ちなみに、ライニングベアという魔物は生息圏が広く、非常に足が速い
何もしてなくても速いのだが、さらに加速魔法を使ってくるため逃げ切るのは大変困難だ
またライニングベアは、集団戦を得意とし広範囲に及ぶ電撃魔法を使ってくるなんとも厄介な魔物である
キリトス
『(ん~。逃げ切ることを最優先にしても………キツイなぁ。やっぱり、高いところに避難して体勢を立て直してからどうにかすべきだな。でも、怪我人が……)』
ライニングベアは、走るのはものすごく速いのだが跳躍力はあまりない
なので、高い場所があればやり過ごすことが可能だ
森の中や岩場などであれば、遭遇しても生き残る確率は上がるが、平地で遭遇したならば死ぬ気で走るか、魔法で飛ぶなどして逃げなくてはならない
キリトス
『(そういえば、ラアリはどうなんだろう?作戦とか立てるの上手いから、もうさっさと解答しただろうなぁ~)』
そう思いながら、バレないようにチラリとラアリクルの方を見た
なんの問題も無いかのように、スラスラと解答を書いている
キリトス
『(くっそ~!アイツめ、涼しい顔して書いてやがる。今頃ラアリもこの問題に差し掛かって止まっていると思ったのに。もういいや、次の問題書いてから、ライニングベア問題の解答書こう)』
そう考えを切り替えて、残りの問題を解いていくことにした
一方その頃、ラアリクルも同じ問題で引っ掛かっていた
ラアリクル
『(いやいや、どんな状況だよっ!怪我人多すぎだろう……でも、まぁ実際冒険してればこんな状況に成りかねないんだろうけど……。どうすればいいかな……怪我人がいるから、高い場所があればそこに逃げて体勢を立て直すことが出来ればいいんだけど……)』
チラリとキリトスの方を見る
悩む気配も無くスラスラと解いているのが見えた
ラアリクル
『(くっ…キリめ……きっと今頃同じ問題にはまって悩んでいるのかと思ったけど、スラスラ書いてんじゃんかっ!キリの方がとっさの判断力がいいからこういう問題は、ニガテではないのかもしれん……僕も負けてられないっ!)』
素早く気持ちを切り替え、解答を書いていった
二人は実にいいライバル関係である
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