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それでも、ガウスはナイスフォロー的な視線を送ってくる
クレイは、そのやり取りを見て
クレイ
『はぁ~。二人共、ごめんなさいね。こんなやつに、気を使わせて。後で、しっかり言い聞かせるから』
射殺してきそうな視線をガウスに向ける
ビクッとしたのち、諦めた表情になった
クレイ
『さて、簡単に説明するね。このギルドの職員が、今回の審判です。ちゃんと公平に審査してくれるから、そこらへんは安心して。それで、勝ち負けの判定は、キリトス君かラアリクル君のどちらかが私の胴に剣を当てることができたら合格。20分間戦って、勝ち負けが着かなかったら、自分が持てる必殺技を私達に放って。それで、私達が威力・コントロール・そして先ほどの戦いの感じから判定する。もちろんこちらの場合でも、公平に判定すると誓うわ。以上が実技試験の説明よ』
ラアリクル
『なるほど!わかりました』
キリトス
『俺も、大丈夫です!自分たちが持てる力を全力で出しますので、よろしくお願いします!』
ルールを説明してもらったあと、少しだけ作戦会議の時間をくれた
ラアリクル
『(どうやら、ガウスさんの武器は剣で間違いないみたいだな)』
キリトス
『(あぁ、だったらプランBで行くか?)』
ラアリクル
『(一応、それをメインにして頑張ってみよう。他にも隠し玉があるだろうし)』
キリトスとラアリクルが、ひそひそと話し合っているのを少し離れた場所から、クレイ達が見ていた
クレイ
『あの二人は、しっかりと作戦を練ってるみたいね。連携を取れないと生き残れないし、その点ではあの二人はいいコンビね』
ガウス
『あぁ、そうだな。こっちも、気合いを入れねぇとなぁ』
クレイ
『そうねぇ~、久しぶりに気合いを入れますか』
自然と笑みを浮かべる二人だった
いよいよ、本番が来た
競技場には、新人の実技試験があるということで暇な冒険者達が観客席に座って観戦するようだ
ギルド職員
『では、実技試験を始めます!両者、準備はいいですか?』
どちらも気合い十分
気合いを入れて返事をする
それを職員は、確認し号令をかける
ギルド職員
『ーーーー始めっ!!』
まずは、小手調べだ
合図と共にキリトスは剣を抜き一気に距離を詰め、ガウスへと切りかかる
が、それは予想していたようでアッサリとかわされる
ガウスが、体制を整えようと距離を置くため動こうとするキリトスにすかさず攻撃を入れる
ガウス
『はははーーーっ!やっぱり若造だなぁ、隙がありすぎだ。動きが丸見えだぜ?』
キリトス
『ーーっ!』
一瞬とも言える動きになんとか気づいたキリトスが、ガウスの剣を受け止めようとするが攻撃の重さに体制を崩す
クレイがそれを見て
クレイ
『よく気づいたわね。これも一緒に、防げるかしら?炎砲弾!』
キリトスの死角を的確に狙い定められた、一撃
炎を纏った複数の砲弾が襲いかかる
ラアリクル
『邪魔はさせないっ!魔法防御結界!』
ずっと練り上げてきた結界をキリトスに纏わせる
一瞬だが結界の方に気を取られたらしく、その間にラアリクルの近くまで戻ってきた
キリトス
『サンキュー!助かった』
ラアリクル
『全く、気を付けろよ?』
実は、キリトスも始まった瞬間に魔法防御結界と物理防御結界は張っていたのだが、クレイがそれを破る勢いの魔法を放ってきたので、補強するため更にラアリクルが魔法を重ね、キリトスの纏う結界は、魔法無効結界へと強化された
その魔法無効結界は、並大抵の魔法であれば絶対に無効する上位防御結界だ
これを扱い、維持させるのは長年経験を積んだ者でなければ難しい
故に、この結界を扱うのは王宮お抱えの魔法戦士団など位の高い者だけである
それを二人で補う形とはいえ、この結界を発動させ維持するのは、二人の技術力の高さを示すことになる
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