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煙の中を凝視する
もちろんキリトスの居場所は、魔法にて把握している
彼は、彼なりに周囲を警戒しつつ前進しているのがわかった
ガウスの気配も確認した・・・
・・・その後方にいたはずのクレイは・・・
ラアリクル
『(ふむ、後方に気配はあるけど、ん?何か薄くーーー!?)』
瞬時に瞬間移動魔法を発動させ、キリトスの後ろに出現する
その瞬間、ラアリクルの正面から槍による攻撃が来る
ガキィィィィィンーーーー
なんとか杖で防ぐことが出来た
あと少し反応が遅れていれば、キリトスがやられていただろう
キリトス
『なっ!?ラ、ラアリ!』
ラアリクル
『・・・あっぶねぇ~。キリ、さっき気をつけろって言ったばっかりじゃん!』
クレイ
『あら、気配を後方に残して置いといたのに気づいたの?』
ラアリクル
『確かに一瞬騙されそうになったよ。だけど、普段よりも気配が少しばかり薄かった。だから気づけたんだよ』
クレイ
『素晴らしい、なかなかの観察力ね!キリトス君、人に任せっきりじゃなくて自分でもある程度確認した方がいいわよ?』
指摘されたとおり目先のことに気を向けて、ラアリクルに周囲のことは任せっきりていた
今まではこの作戦で連勝を重ねていたが、それは学校で行ってきたからであり、1歩外に出れば逆に重大な欠点になってしまう
その違いを指摘されたキリトスは顔をしかめた
しかし、反省する間もなくガウスからの連続攻撃がやって来る
これでキリトス達は、クレイ達に挟まれ状況は一気に悪くなった
ラアリクル
『(クレイさんの指摘はもっともだ。それは僕にも言えることだし、今後気を付けないと。にしてもクレイさんが、槍を使ってくるっていうのはちょっと計算外だったな・・・)』
もちろん、杖以外に攻撃手段を隠し持っている可能性もあり得ると考えていた
ラアリクルだって、切り札として磨いてきたものがある
ただ、たかがギルドの昇格試験にわざわざそこまで本気を出さないだろうと高を括っていた
ラアリクル
『(さて、どうしたものか・・・分断させるのは絶対条件だけど、二人に隙がない)』
次の行動をどうするか考えていると、キリトスから秘匿会話魔法が発動され話しかけられた
キリトス
『《ラアリ!聞こえてるか?》』
ラアリクル
『《大丈夫、聞こえてるよ!》』
キリトス
『《なんかいい案ある?だんだん捌くのキツくなってきたんだけど》』
ラアリクル
『《いやそこは、頑張れよ。そして、案っていうか、分断させるために隙を作って欲しい。数秒で構わないから!》』
キリトス
『《・・・・いいけど、ラアリの方は大丈夫なのか?大分、分が悪そうだけど?》』
ラアリクル
『《多分大丈夫・・・。当初の予定とは違うけど、持ちこたえてみせるよ。こっちだって杖以外に攻撃手段は用意してるんだ》』
キリトス
『《分かった、任せろ!時間を稼いでやるよ!》』
ラアリクル
『《よろしく!こっちも頑張って持ちこたえるから、早く加勢に来てくれよ?キリトが攻撃を捌ききれないのと同じように、僕も捌ききれないと思うから》』
キリトス
『《ああ!さっさと決着つけて、助けに行くよ》』
作戦内容はこうだ
今、キリトスVSガウス、ラアリクルVSクレイという状況を元の作戦通りーーラアリクルVSガウス、キリトスVSクレイーーに戻すのは無理だと考えこのまま分断する
キリトスにはラアリクルが分断する壁を造るまでの時間稼ぎをしてもらう
壁が出現したあとラアリクルが持ちこたえている間、キリトスが決着をつけ助太刀に行く
この作戦を話している最中激闘を繰り広げているが、キリトス達が徐々に押されている
ラアリクル
『《よし、実行に移すっ!》』
キリトス
『《よっしゃ!任せてとけ!魔法を発動させるまで、守ってやるよ》』
二人は、飛び退いて背中合わせになる
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