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そんな表情を見たガウスは
ガウス
『(あいつ焦ってんのが丸見えだなぁ。もうちょっとポーカーフェイスってぇのを学ぶべきだよな。さてさて、クレイからもキリトスが魔法に頼る暇がないように攻撃していろって言われたし、どうやら魔力・体力共に限界にきてるようだから、トドメを刺す頃合いか?)』
トドメと言っても今は試験中なので相手の胴に剣を当てるだけだが、実戦ではその瞬間首を跳ねられることになる
どうやってトドメを刺すかを考えながら、一気に距離を詰める
キリトスは、受け止め勢いよく弾き返し攻撃してきた
今までは受け流し攻撃する隙を伺い、攻撃するというスタイルだったがいきなり変えてきた
どうやらそっちも何か思い付いたらしい
目の色が変わっている
キリトス
『来いっ!!』
そう叫ぶと、左手に剣が出現する
この剣の名は、ピュールソード
炎の魔力が練り込まれた一品で、自身の魔力を消費せずに炎刃が撃てる優れものだ
キリトスはピュールソードを振り、自身が立っている氷床に炎刃を打ち付けた
炎と氷がぶつかりおびただしい量の水蒸気が発生する
ガウス
『おいおい、この目眩ましは通じないって何度も経験したじゃねぇか。こっちもだらだらしてられねぇんでね、さっさとトドメを刺させてもらうぜ!』
水蒸気の先にキリトスの気配をしっかり確認し、炎の魔法を纏わせ斬り込んでいく
キリトスの気配の距離から射程圏内に入ったと確信した
もらった!と剣を振り視界がはれると目の前には、氷の塊があった
ガウス
『(ーーーなっ!確かに捉えたはず………っっ!!)』
ガウスの攻撃により溶けた水をキリトスは、風刃で巻き上げ雨のように降らせた
そこから、間髪いれずに雷刃を放った
水で濡れているガウスには、魔法防御結界があっても少しばかりダメージが入る
電気で痺れ動きが鈍ったところにキリトスは、素早く斬り込み胴に剣に当てた
キリトス
『はぁ…はぁ……どうやら、俺の勝ちの、ようですね』
息をきらせながら笑顔でそう言った
ガウス
『・・・・っはははは!!そうみてぇだな!俺の負けだ。上手く気配を操り誘導したなぁ』
キリトス
『ありがとうございます。クレイさんに言われたことを反省して、応用しただけですよ。それに、まだまだ剣の実力は足りないと痛感しました』
ガウス
『そうか、そうか!お前の成長の糧になったんだったら、何よりだ。んじゃ、相棒の助けに行ってこい!!』
キリトス
『はいっ!!』
そう会話を交わし、キリトスは壁の向こうで苦戦しているであろう相棒に連絡を取った
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