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日常
ここは、浮遊大陸アメリトス
自然が豊かで、人々が過ごせる唯一の場所
そしてその端にあるトリアスクは、王国の次に潤っている街である
それは、下の大陸へと向かう冒険者が集うギルドがあるためだ
そんな冒険者が集う街トリアスクの領主
“リンセント・ラビリーネ”
優しく、知識豊富なリーダーシップがとれる頼れる領主だ
その息子の
“キリトス・ラビリーネ”
文武両道で、剣術にすぐれ下の大陸で冒険することを夢見る少年である
幼い頃からギルドに来ている冒険者の話を聞いて、その魅力的な体験談にとても憧れているようなのだ
そのため、
学校の教員
『君は、成績もいいし体力もあるからきっと上位の軍学校に入れるはずだよ』
キリトス
『いえ、俺は軍学校よりも下の大陸に冒険しに行きたいんです!』
という有り様なのだ
そんな彼の日常は、幼なじみのラアリが庭から2階にいるキリトスの部屋に声をかけられるところから始まる
ラアリクル
『おーい!キリトスー?起きてるー?』
キリトス
『……ん……う~ん…今何時だ……………?
げっ!?うそ!7時半じゃん!ヤバッ!』
ラアリクル
『キリトスー?まだぁ~?早くしないと置いてくぞ~』
キリトス
『ま、待って~!今降りるから!』
急いで、クローゼットに入っている制服に着替えリュックを背負い、階段を駆け降りると途中で使用人とすれ違った
使用人(男性)
『キリトス様、おはようございます。ラアリクル様がお呼びでしたよ。』
キリトス
『あぁ、おはよう!分かってる!』
使用人(男性)
『大広間のテーブルに、朝食のパンをご用意しておりますが、いかがなさいますか?』
キリトス
『あぁ~、持っていく!』
使用人(男性)
『かしこまりました。すぐにご用意します。』
キリトス
『よろしく頼む!』
急いで廊下の角を曲がり図書室に居る母親に
挨拶をする
キリトス
『母さん、おはようございます!』
リース
『おはよう、キリトス。ラアリクル君が、玄関でずっと待っているから早く行ってあげなさいね』
キリトス
『はい!行ってきます!』
挨拶を済ませ次に父親の書斎に向かおうと、体を向けるとさっきの使用人が手に小さな包みを持って立っていた
使用人(男性)
『キリトス様、ご用意出来ましたよ』
キリトス
『ありがとう!それじゃあ、父さんに挨拶してくる!』
使用人(男性)
『いってらっしゃいませ』
廊下を全力で走り、父親がいる書斎の扉前に立ち呼吸を落ち着かせ、ノックをする
…コンコン…
キリトス
『失礼します!父さん、おはようございます!』
リンセント
『おはよう、キリトス。今日もギリギリにおきたなぁ~』
キリトス
『ははは…』
リンセント
『ほら、ラアリクル君がさっきからずっと呼んでいるから早く行きなさい』
キリトス
『はい!行ってきます!』
キリトスは、そう返事をしてお辞儀をし扉を閉め玄関の方へ猛ダッシュして向かう
ラアリクルが玄関の前で腕時計をチラチラ確認しながら待っているのが見えた
キリトス
『ハァハァ……ごめん、遅くなって……』
ラアリクル
『もー!いつまで待たせる気だよ!』
キリトス
『ほ、本当にごめん』
ラアリクル
『まったくキリトスが遅刻しないように、起こしにきてあげてるんだよ?』
キリトス
『いつもありがとうございます!!』
ラアリクル
『ふふふ、ありがたく思ってよ?ほら、早く行こう?あと、15分位しかないんだから!』
キリトス
『ああ!』
ラアリクルと呼ばれる彼はキリトスの幼なじみ
“ラアリクル・サリクトス”
彼もまた文武両道で、魔法の技術に長けている
彼のお義父さんは、トリアスク議会の議長で
リンセントとは昔から仲が良いことで有名だ
ラアリクルとキリトスは、急いで小道を通りちょうどトリアスクの街を二分する大通りへ出た
この大通りは、ギルドに向かうキャラバンやここを出て行くキャラバンが多く通り、すごい時はキャラバンで渋滞が起きるほどである
しかし、今日は大通りを通るキャラバンは少ないようだ
ラアリクル
『やった!今日は、キャラバンの数が少ない!』
キリトス
『本当だ!これなら横断しても大丈夫そうだな』
二人は、大通りを横断し学校を目指す
学校は大通りからも見えるほど大きい建物だ
なんでもとあるお城をイメージしているらしく、至るところに細かい装飾が施されている
大通りを左に曲がり、大きめの路地を真っ直ぐ行くと大きい鉄の門がみえる
そこが、キリトス達が通う学校だ
キリトス
『……ハァハァ…やっと着いたぁ~』
ラアリクル
『5分前だね…ふぅ~』
二人は、門をくぐり抜け急いで教室へと向かう
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