6人が本棚に入れています
本棚に追加
異変、そして旅立ちの時
学校前の道を右に曲がり、大通りに向かう
大通りに出て左に行くと、そのアイスクリーム屋がある
ラアリクル
『あ!あった!あった!あのアイスクリーム屋!』
キリトス
『おお!あそこかぁ~!うわ~めっちゃ並んでるな』
ラアリクル
『よしっ!なんとしてでも、並んで買うぞぉ~!』
キリトス
『えっ?あの行列に並ぶの?マジかよ……』
ラアリクル
『あったりまえじゃん!!前々から行きたくてマークしてたんだから!!』
ラアリクルの勢いにおされてキリトスが、若干引きながら行列に並ぼうと歩いていた時だった
《どぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん》
北の方から大きい爆発音がした
周りにいる人達が驚いて音のした方を見ている
キリトス
『えっ?何?今の音……?』
ラアリクル
『すごい音だったな…北の方からみたい』
キリトス
『何があったんだろう?ちょっと行ってみよう!』
ラアリクル
『あぁ!』
全速力で北の門へと向かう
どうやら、ここで爆発があったらしい
門の一部が激しく崩れており、爆発の強さが伺える
よく見ると全線で指揮を執っているのは、リンセントのようだ
キリトス
『父さん!何があったんですか!?』
リンセント
『ん?キリトスか?お前は無事なんだな…良かった…。実はな、いきなり魔物から襲撃を受けたんだよ。なんとか、そこにいた門番兵が撃退したんだがこの有り様だ。まったく、なんで急に攻撃をしてきたんだか……』
ラアリクル
『門番兵の皆さんはご無事だったんですか?』
リンセント
『あぁ、幸い重症にはならなかったよ』
キリトス
『よかった…軽い程度で済んだんですね』
ラアリクル
『そうですか、よかったですね』
リンセント
『あぁ、そうだ。キリトス、ちょっとお使いを頼まれてはくれないか?』
キリトス
『構わないですが、なにをすればいいんでしょう?』
リンセント
『報告書を王国の研究者に渡してくれないか?私は、門の復興作業の指揮と防衛対策についていろいろ話し合わないといけなくてな。なかなか行けないから、代わりに行って欲しいんだ』
キリトス
『分かりました!父さんの代わりに行って来ます!ラアリはどうする?』
ラアリクル
『僕も一緒に行くよ!キリトスだけじゃ不安だからね~』
リンセント
『そうか、ラアリクル君すまないな。ありがとう。報告書は、ノアという研究者に渡してくれ』
キリトス
『はい!分かりました!明日には、出発しようと思います!ラアリもそれで大丈夫?』
ラアリクル
『うん、大丈夫だよ!なるべく早めに渡しに行こう』
リンセントから報告書を受け取ったあと家に帰り、急いで旅にでる準備をすることになった
家が見えてくると玄関の前で母親のリースが心配そうな顔でキョロキョロしているのが見えた
リース
『あぁ!キリトス、無事だったのね!』
キリトス
『母さんただいま!俺は、別なところにいたから大丈夫だったよ』
リース
『そう、よかったわ…』
安心した顔を見せたリースに、父親のリンセントからお使いを頼まれたことを話した
キリトス
『母さん実は、父さんからお使いを頼まれていてさ王国まで行かないといけないんだ』
リース
『そうなの?あの人のことだものいろいろ考えがあるのでしょう。行くのはいいけど、気を付けて行くのよ?』
キリトス
『はい!明日にはラアリと一緒に出発しようと思っています』
リース
『じゃあ今日は、ご馳走にしないとね!たくさん食べて元気に行ってもらわないと!』
キリトス
『母さんの料理楽しみ!』
その日は、リースが腕を奮って作った料理をたくさん食べ、明日に備えるべく早く寝ることにした
最初のコメントを投稿しよう!