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いざ、王国へ!
2人は、ラグ村に向かうべく歩き始めた
トリアスクからラグ村までのこの道は、平坦な道が続き魔物も少ないため、初心者冒険者が旅に慣れるためによく紹介されている場所だ
向かう最中、彼らの話は来年行う卒業試験についての話題で盛り上がった
キリトス
『ねぇ、ラアリは卒業試験なにするつもりなんだ?』
ラアリクル
『えっと、一応決まっているよ。古代の書物から見つけた精霊召喚魔方陣を再現して、実際に召喚してみようかなって』
キリトス
『あぁ、古代の書物ってこの前研修で行った遺跡にあったやつかぁ……。すげぇな、あれ、解読できたの?』
ラアリクル
『うん、少しだけ。古代文字だけあって、破損してて解読が出来ない文字もあるから、超ムズい。そういうキリこそ、なにするんだ?』
キリトス
『俺は、昔神を顕現させるため行っていたという剣舞をやってみようと思っているんだ。たださ、これも古代文字で表記されているから解読しないといけないんだよね』
ラアリクル
『へぇ~、剣舞ねぇ~。キリにあってると思うよ!』
キリトス
『そうか?頑張ってみるよ!』
ラアリクル
『一緒に頑張ろうぜ!』
二人の話が熱を帯びてきたころ、空は夜になろうと薄暗くなってきていた
キリトス
『あっ、もう薄暗くなってきた!そして、キャラバン見かけなかったから野宿じゃん!』
ラアリクル
『本当だ!あぁ、運が良ければ王国に向かうキャラバンに乗せてもらえないかなって思っていたんだけど。しょうがない今日は、野宿に決定だな』
二人は、事前にもし王国に向かうキャラバンが通ったら交渉して乗せて貰おうと考えていたが、そう上手くはいかなかったようだ
キリトス
『ここら辺で野宿するか』
ラアリクル
『そうだな、ここら辺がちょうどいいね』
二人が野宿する場所は、道から少し外れたところにちょうど良く道からこちらが見えない程度に草木が重なっている場所だ
ほどよく、日光が当たっていたお陰か少し暖かく一晩過ごすにはちょうどいい
焚き火を作り、素早く夕食を食べたあと簡易型寝袋を並べてすぐに眠りに着いた
次の朝、一番最初に起きたのはラアリクルだ
ラアリクル
『…ん………もう朝か……あんまり寝た気がしないなぁ。キリを起こさないと』
ラアリクルは、隣で寝ているキリトスの肩を軽く叩いた
ラアリクル
『キーリートースー!起きて!朝だよ!』
キリトス
『……………………………』
まったく反応が無いので、今度は少し強めに肩を叩いた
ラアリクル
『起きろって!朝なんだけど!』
キリトス
『……………………………むにゃむにゃ』
ラアリクル
『くっ………こうなることは予想していたけど。いたしかたない、あれを試すしかないか……』
ラアリクルは、自分の荷物にくくりつけてあった杖を取り出す
この杖は、ラアリクルが愛用している武器で一番使い勝手がよいため頻繁に使用している
ラアリクル
『ふぅ~……………………雷の神よ、我は神を信仰する者なり。その偉大なる雷の力を我に授けたまえ!雷刃!』
杖の上部に電気がバチバチと剣状に帯び始め、
それを勢い良くキリトスに振り下ろす
しかし、キリトスに当たる寸前でキリトスが目を見開くと素早い動きで横に回避し、近くに置いてある剣を構えた
キリトス
『おっと……あっぶね。どうした、敵襲か?』
ラアリクル
『……………やぁ、おはよう』
キリトス
『え?お、おはようございます…?』
キリトスがキョトンとして、ラアリクルのことを見ている
一方ラアリクルは笑顔で、キリトスのことを見る
キリトス
『は?え、何?』
ラアリクル
『キリトが全然起きないから、起こしてあげたんだよ』
キリトス
『あ、そうなんだ。てっきり、敵襲かと思った』
ラアリクル
『だってなかなか起きないからさ。そんなキリをどうやって起こすかなって考えて、魔法で攻撃してみることにしたんだ。これだと、すぐに起きるかなって』
キリトス
『確かに、すぐに起きれるけど毎日はキツイです…』
ラアリクル
『あはは、頑張って起きれるようになってね』
そんな会話をしつつ、移動の準備を進めた
ラグ村まではあと少し歩かなければいけない
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その後、他愛ない話をしながら二人は無事にラグ村へと到着した
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