赤紙

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 ≪トン、トン……≫  穏やかだが、決して無視を許さない音が伝わってくる。  不安を抱いて数秒躊躇(ちゅうちょ)した後、私は戸を開けた。 「おめでとうございます!あなたへの令状を持って参りました」 「…………」  そこに立っていたのは笑顔の配達人。  その配達人が両手で丁寧に差し出してきたのは、やはり縦15cm、横23cmの薄桃色の紙であった。
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