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1、デカ盛りラーメンを食べる
こってりした油の匂いが、わたしの鼻をくすぐる。
嫌いな匂いじゃないけど、嗅いでるだけで胸焼けしそう。
まるで、周りまで油でギトギトしているような感覚に陥る。
試しにテーブルを擦ってみると、ちょっとぺとっとしていた。
「へい、ラーメンお待ち!!」
カウンターの向こうから威勢の良い声が聞こえ、丼が乗せられた。
「ありがとうございまーす」
わたしは丼を取って、目の前に置いた。
まず飛び込んで来たのは大量の野菜。
もやしとキャベツしかないけど、麺が見えない程敷き詰められている。
傍らにはブロック状に切られたチャーシュー。
数は少ないけど、こっちも凄い存在感。
加えて、店内の匂いにニンニクを加えて凝縮したみたいな香りが溢れていて、食べる前から満腹になりそうだった。
凄いな、予想以上だ。
ミニサイズを頼んだ筈なのに、今まで食べてきたどのラーメンよりも大きい。
「お嬢ちゃん、ウチのラーメンは初めてかい?」
店長さんがカウンター席から顔を出し、わたしに話し掛けた。
気さくな笑顔から、人の良さが滲み出ている。
「はい、前から食べてみたかったんです。今日やってて良かった」
「嬉しいこと言ってくれるねぇ!熱いうちに食べてよ!」
そう言われてもどこから手をつけていいか解らない。
迷っていると、わたしの横から声が聞こえてきた。
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