1、デカ盛りラーメンを食べる

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「おみずどうぞ!」  やって来たのは小さな女の子。  まだ二歳か三歳くらいかな?  小さな手で、わたしにお冷やを差し出している。  お冷やが重いのか、手がぷるぷる震えていて、ちょっと危なっかしい。 「ありがとう」  わたしがお冷やを受け取ると、女の子はちょこんと頭を下げた。 「ウチの娘なんだ。普段は店に連れて来ないんだけど、今日は特別にね」  …そっか、今日で最後だもんね。  女の子も、お父さんの手伝いが出来て嬉しそうだ。    わたしは割り箸を折って、ラーメンに手を着けた。  とにかく、何処からでもいいから食べよう。  放っておくと、油でヤバいことになりそうだし。 「…いただきます」  小声で言って、まずは野菜から食べていく。  美味しい…けど、やっぱり油っこい。  麺まで行き着けるかな?ちょっと不安になってくる。  …それにしても、我ながら不思議な光景だ。  女の子がラーメン屋に一人。  それも、油でギットギトの、見るだけでカロリーオーバーになりそうなラーメンをかっ込んでいる。  ちょっと前のわたしなら、絶対にしなかっただろう。  でも、もういいんだ。  カロリーを気にする必要も、一人ラーメンを恥ずかしがる理由もない。  だって…。  今日は、地球最後の日なんだから。
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