月影のダリア

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昨晩、ダリアはルカとゲストルームのベッドの上で熱情の限り愛し合った。 そして佳境に差し掛かった時、思わずダリアがルカの首もとを噛む。 ほぼ同時に鋭痛がルカを襲った。 ダリアのこの恋もここまでだった。 後はジェットコースターの様な展開が待っていた。 首に痛みを感じたルカが月明かりの下で見てみると血が流れ出ているのが分かった。 しかし冷静になるにつれてルカには逆に事の次第が見えなくなって行った。 先ずもって目の前のこの状況が不可解である。 更にこれに関してのダリアの話が輪を掛けて謎めいている。 兎に角、ここにいたら危険だから今直ぐ立ち去って、そのままこの町から出て行く様に,、そして二度と帰って来ない様にと、矢継ぎ早にダリアは言う。 更に続けて悲しそうに、自分(ダリア)のことも忘れて欲しいと。 そして掟ではあなた(ルカ)をこの場で殺さなければならないのだがそんな事は出来ない。 だから逃げて欲しいのだと繰り返し言って来たのである。 更にはルカがこの時間にどうやって山道を降りて行くのか?その術がないではないか?と質すと「走れるはずだ」との意味の分からないことを彼女は真顔で応えて来た。 そしてダリアは自分も麓まで一緒に走るから話の続きはその時に、つまり走りながらすると言うのだった。
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