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夕食の後片付けを母親と二人で手際よく済ませるとダリアは書斎の様子を見に行くべきか、それとも呼ばれるまで待った方がいいのか逡巡していた。
そんな所在なげな娘の姿を見てロレナが「落ち着きなさい、夜は長いんだから」と笑いながら言って来た。
その母親の言葉に対してダリアは自分は落ち着いているから問題はないと言い返した。
「そうね、ところで、あなたたちは…」ロレナは母親らしく微笑んで言う「やっぱり彼にはゲストルームに寝てもらいましょうね」
「当たり前じゃない?何でそんなこと聞くの?」
「今夜いきなりあなたの部屋って訳にはいかないわね」
「お母さん、気が早過ぎるよ」ダリアが呆れた風に言った
娘のこの言葉を聞いて、ロレナは自分の心が知らず知らずのうちに逸っていたことに漸く気付いた。
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