夏合宿と水着

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合宿は三日間行われる。三日目の夜は各々の家に帰り、翌日は試合だ。もし勝てばその次の日も試合。それに勝てば甲子園に行ける。 この合宿でしっかりと仕上げて臨まなければならない。二日目も私は気合いを入れた。 朝食は部員のおかーさん方が交代で作ってくれる。味噌汁と焼き魚、そしてやはり丼三杯のお米。漬物も来ていた。 「マネージャー、明日なんだけどな」 朝の片付けをする私の元に、監督が麦藁帽子をかぶりながらやってきた。 「午前はゆっくり体休めて、午後、浜辺ダッシュする予定。で、そのまま浜辺でバーベキューしようかと思ってるんだけど、いいかな? 道具はこっちで用意するから特にすることはないんだけど」 「じゃあ私は食材の準備します」 はい、と手を出すと、監督はお札をくれた。 「いつもすまないな〜。本当に助かるよ。でな、明日は海で遊んでもいいから水着でも持ってきたら?」 水着!? スクール水着しか持っていませんが。 いや、それよりもスマホ。両親に画素数の高いモデルのを買ってもらって良かった! 盗撮だ盗撮だ! 「じゃあ、明日は楽しもうな。花火とかもマネージャーがやりたいなら買ってくるぞ」 「ああっ、やりたいです!」 ここ数年、コミケに出品する準備に追われて夏を楽しむ暇さえなかった。ストーリーに盛り込みたいシチュエーションが満載でとても嬉しい。 「おっと、でもあまりにセクシーなのは勘弁してくれよ! アイツらが鼻血出すかもしれないから」 からかうように言って、監督は調理場を出ていった。 ああ、水着のことか。忘れてた。最近走り回って肉体労働しているせいか、お腹のぽよっとした肉がちょっとだけ締まった気がする。 「水着……買ってみるかなあ」 でも、それよりスクリーントーン。 「…………」 水着、買ってみようかな。
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