それは嘆きと葬送

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後をつけられている。 それに気付いたのはあの日から数日が経った頃だった。 なんだかんだと皆から心配されながら仕事をこなして帰ると、一定の間隔でついてくる気配。 怖くなって走り出したのが、たぶん10分くらい前。 元々運動神経も体力もない私にとって、限界はすぐそこだった。 でも捕まってしまえば終わり。 なんとか、なんとか逃げ切らなくては···! 縺れる足を持ち直し走る。 どこかにぶつけて小指が欠けて飛んだ。 大丈夫、命に比べればまだ安い。 ガゥンッ!! 「···あッ!!」 大きな音と共に踏み出した脚が吹き飛ばされた。 着地する足を失った体が地面に倒れる。 先についた手、腕がバキリと嫌な音を立ててヒビが入ったのが見えた。 まさか路地裏とはいえ、こんな街中で銃を持ち出すなんて思わなかった。 「おぅ、嬢ちゃん。追いかけっこはもう終わりだ」 逃げ、きれなかった··· その後彼女を見たものは、誰もいない。
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