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「いいよ?アイスね?」
ニコニコしている彼女の頬がまだ赤い。さっきまでの押し殺した声もいいけれど、こういう無邪気な感じも堪らない。
彼女が机の上から降りて立つ。ちょっとバランスを崩したようでよろける。咄嗟に彼女の腕を掴む。
「大丈夫?」
「・・・大丈夫」
ニコッと笑って彼女がオレに抱きつく。こんなに積極的に来られたことがないもんだから、思わず声が出そうになったが堪えた。
彼女がオレの耳元で小さく呟いた言葉が可愛すぎて、パッと身体を翻して学生カバンを持ちドアに向かう彼女をぼんやりと眺めた。
ほらほらアイスと手招きする彼女は今日も可愛い。
・・・今度はちゃんと気持ち良くさせてね?
こんなこと言われてニヤけない男なんていない。
《完》
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