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三条から連絡があって、探偵事務所を片っ端から調べていた。
「おれもそう思っていたところだよ」
三条に言われて、先野も自分の考えを話した。推測にすぎなかったが、その可能性はある、と踏んだ。
偽名まで使っていたということは、最初から宗中の前から消えるつもりだった、との結論に至った。その上で偶然を装って出会い、結婚の約束まで取り付けた。なんの目的でそんな工作をする必要があったのか……。
山橋探偵事務所、とプレートの貼られたドアを開け、すぐ正面にある受付で来訪目的を告げた。
「こちらにいらっしゃる弓野さんは今お手すきでしょうか? 以前、依頼を受けてもらったので今回も頼もうかと思いまして」
しばらくお待ちください、と受付係の女性スタッフに面談ブースに通された。
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