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今日も懲りずに次から次へと雑魚が湧いてくる。
「黒鬼!今日こそはその首討ち取ったる!!」
「……いつの時代の人間だよ…」
真正面から来た奴に、だるそうに正面からの拳で反撃。すると相手は1発KO。
「おー、流石我らが番長。今日これで15人目。全部1発で倒してるぜ」
「……いや!多くね!?なんか今日多くね!?」
ケラケラ笑う隣で、ブチ切れている少年。
そう、それが俺。
黒萩 瑩(くろはぎ てる)です。
条泉中学校という所に通っているんだけど、入学して3年間。売られた喧嘩を買い続けてたらいつの間にか“条泉中の黒鬼”と言われるようになり、番長…頭にまで上り詰めてしまった。
まあ喧嘩は嫌いではない。好きな方だ。ただ、無駄な喧嘩は嫌いだから買われた喧嘩だけしてたらこうなった。
「まー仕方ないんじゃね?俺らもうすぐここ卒業だし。それまでにお前を倒してやるって奴が多いんだよ。」
「はぁ…?まじクソ要らねえ…」
俺がうんざりしている様子が面白いのかコイツはさっきからケラケラ笑っている。
コイツは俺の友達で『春野 圭太』。喧嘩は見る専だと言うが、一回だけコイツが喧嘩した事が見たことある。普通に強かった。毎回俺に喧嘩させておいてホント死ねと思った。
「瑩」
「…お、悠」
「あれ、保護者。どったの」
『関口 悠』。俺の幼馴染みで、条泉中のNo.2。因みに圭太は悠の事を俺の保護者と読んでる。俺に対して過保護だからだそうだ。
「おばさんが、瑩連れて来いって」
「は?母ちゃんが?」
「だからさっさと行くぞ」
「保護者来たなら仕方ねーな。じゃあな、番長、保護者ー」
「テメ…マジで顔面潰すぞ」
「いやん(はーと)」
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