年の差

2/6
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
楽しい放課後のカフェデートが終わると、めいぷるはひとりで電車に乗った。目的地はこの辺で1番栄えている街。 電車を降りて駅を出れば、小都会が広がっている。東京と比べれば見劣りはするが、この街は地域の人達からすれば、新宿的な場所だ。 「ちょっと気晴らし……」 めいぷるは行く宛もなく、ふらふらと歩き出す。 「どうすれば、大人っぽくなるんだろ?」 ついさっき気晴らしと言い聞かせたが、口をついて出るのは最近の悩み事。服を見ても、つい大人っぽいものに目が行く。 「なんかもう、歩きたくない……」 めいぷるはジャンクフード店に入った。チーズバーガーセットを頼み、ふたり掛けのテーブル席に座る。 「やっぱさ、メロンソーダって子供っぽいのかな?」 先程のカフェデートを思い返しながら、ため息まじりに呟く。 注文したものや会話内容を思い返しては、ひとつひとつ後悔する。 めいぷるはメロンソーダとモンブランを注文し、会話中にしても時々大きな声を出してしまったりしていた。 一方れいみは、カフェラテにチョコケーキを注文。角砂糖をひとつ沈めてはいたが、その仕草はとても可愛らしかった。会話中はほとんど聞き手、笑う時も「ふふふっ」と可憐に笑うのだ。 子供っぽい自分と大人可愛いれいみ。考えれば考えるほど差がありすぎるように思えてきた。 「どうすれば釣り合うんだろ?」 めいぷるは何度目か分からないため息をつくと、窓の外を見た。 「ん? あれって……」 目に飛び込んで来たのは、めいぷるが愛用している化粧品メーカーの新作ポスター。だが気になったのは商品ではない。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!