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「これ、まりあ? ウソ、全然印象違う……!」
ポスターには、めいぷるが好きなモデルのまりあの写真。ナチュラルブラウンの髪にあどけない笑顔が人気な彼女だが、ポスターのまりあは金髪で、キリッとした顔をしている。
「“オトナの私に出会おう”、か……」
めいぷるはキャッチコピーを読み上げると、チーズバーガーを詰め込んで外に出た。
めいぷるは迷うことなくドラッグストアへ行くと、化粧品売り場を見て回る。
「あった!」
ポスターが柱に貼ってあったから、お目当ての化粧品はすぐに見つかった。アイシャドウとグロスを選ぶと、今度はカラーリング剤を見に行った。
「私も、大人っぽくなるかな……?」
そう呟きながら手に取ったのは、やはりブロンド。しばらくうーんと唸っていたが、化粧品と一緒に抱えてレジへ向かう。
(思い切りって大事!)
めいぷるは会計を済ませると、まっすぐ帰宅した。
部屋にこもると、今日の戦利品を並べて腕組をする。
「いつからにしよっかなぁ……。どうせなられいみちゃんに真っ先に見てもらいたいし……。あ、そうだ!」
めいぷるはスマホを取り出し、LINEを開いた。
“土曜日空いてる? よかったらうちで”
そこまで打って、手が止まる。
「うーん……」
いつもなら“ゲームでもしない?”と続けるところだが、今はためらわれる。
「ゲームって、子供っぽいよなぁ……。どんなんがいいんだろ? なんて誘えば、れいみちゃんはときめいてくれるんだろ……?」
悩んだ挙句、“よかったらおうちデートしない?”と送った。
「って、おうちデートって何するの? とりあえずDVD? 恋愛もの借りとく?」
めいぷるはさっそくおうちデートについて調べ始めた。
「あー、やっぱDVDはド定番だな。……よく見たらほとんど似たり寄ったりじゃん。録り溜め見るとか、動画見るとか……。料理は……苦手だからパス。はぁ……とりあえずDVDでいっか」
めいぷるはスマホをしまうと、レンタルショップへ行った。
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