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「どこかで落ち着ける街を探しましょうか」
「旅は嫌?」
「嫌ではないですけど、子どもを作るとなるとやはり落ち着いた家が必要に」
「ちょ、ちょっと待って!」
「はい?」
「子どもの件はまだいいって言ってないからっ」
「近い将来、了承していただけるものと思ってますから」
にっこり素敵すぎる笑顔で微笑むヴァルターに、アニカは思わず言葉を失った。
きっとこの笑顔には叶わない、そんな気がして、ふいっと顔を反らす。
「そ、そのうちね!」
「はい」
そらした頬が真っ赤になっているのを見て、ヴァルターはくすりとほほ笑んだ。
おわり
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