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⑦
こんなに幸せなことがあったなんて!
体は重いが、家路に着く足取りは羽が生えたように軽かった。
感動で胸が高鳴った。
自分のフィナーレが度肝を抜く葬儀で締めくくられるとは!
誰が想像しただろう。
お母さんの愛に、家族の愛に、幾度も繰り返したであろうこの命に感謝した。
「真面目に、一生懸命生きてきてよかったありがとうありがとう」
涙が頬を伝った。
前日まで聞かなかったことにして、自分の帰食葬を想像した。
とても立派で、華やかで、誰もが憧れる「鉄板焼スタイル」
この日の夜は胸が高鳴って眠れないだろう。
その分、カロリーを摂取しないと危うく減量してしまう。
夕食の後、お菓子を抱え込み、部屋にこもった。
まもなく、最後の日がやってくる。
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