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安楽死執行人は、喪主のお母さんに委ねられた。 「お父さん、お疲れ様です。この立派なお葬式は、とても優しいあなたに相応しいわ。愛してる、生まれ変わるまで私の中で生きててください」 お父さんの頬に一筋の涙がつたい、優しく微笑み目を閉じた。 腕に天国への片道切符を注入した。 広間が静寂に包まれる。 少し経って音を立てず、医師が心音を確認をする。 一歩下がり、何も言わず一礼した。 無事逝けたことの合図だった。 バーベキュースタイルでは、ここで鉄板ごと火葬炉に入れられ、時間をかけこんがりと焼き上げられる。 それを皆でとりわけで食べるのだが、今回は一族初の鉄板焼スタイル。 音楽がクラッシックに変わる。 祭壇脇の扉から、いかにも腕のたつ、仏頂面の初老シェフが、弟子の若い男をつれて登場した。 弟子が大理石の寝台の下に覆われた白い布をはがす。 下全体が、巨大な桶になっていた。 もう1つ大きめな調理台と、ピカピカな鉄板が運ばれた。 「これより、帰食葬に入ります。ご冥福をお祈りし、一族のより一層の繁栄を願います」 シェフと弟子は深々と一礼した。
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