EATME

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近年、帰食葬という葬式が一般的な葬儀の形である。

死ぬ瞬間を待たず、余命を宣告され、その期間を全うすることでこの世とお別れをすることになる。

安楽死の処置を施し、こんがりとろ火で火葬され、遺族に自分の肉を食べてもらう。
そのことで家族と永遠に共に生き、魂は浄化され、次の生命に生まれ変われるという思想が広まりつつあった。

死にゆく者は最後の仕事として、家族親戚一同のため、残りの時間を脂肪を増やすことに費やす。

お父さんは元々痩せぎすの男であった。

常々食べるようにしてたものの、なかなか増やすことが出来なかった体重。

痩せ気味のまったくモテなかった人生。たった一人愛してくれたお母さんのために最後の最後まで頑張ると決めた。