かけがえのない妹

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「おかあさん、結香が交通事故で怪我をして意識がないの…」 私はスマートフォンで電話して、自宅にいた母に状況を伝えた。 私はどうしたらいいのかわからず、ただ結香の近くでおろおろしていた。 事故があった近隣の住民が通報してくれた救急車がまもなく到着し、結香がストレッチャーに乗せられて救急車に運び込まれると救急隊員の方から、 「この女性とは、どのようなご関係ですか?」 と尋ねられたので、 「妹です。」 と答えると、救急隊員の方から救急車に一緒に乗車するように指示された。 私が救急車に乗り込んで病院まで搬送されると、結香は集中治療室に運び込まれた。 私は病院から自宅に電話して、母に搬送された病院を伝えた。 私が集中治療室の前で待っていると父と母が駆けつけてきた。 「結香の様子は?」 母からの問いに、 「今、集中治療室の中で治療を受けてるみたい。  救急車で運ばれているとき、結香は意識がなかったよ!」 と私がわかる範囲で父と母に状況を伝えた。 しばらくすると集中治療室から医師が出てきて、 「ご家族の方ですか?」 と質問されたので父が、 「娘の父親です。」 と返事をした。 するとその医師は、結香の状況を説明してくれた。 「命に別状はありません。  全身を強く打ち付けているようです。  特に右足の脛骨と腓骨を骨折しています。  これにより、動脈へのダメージや神経への影響も発生しているようです。」
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