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心配した父が医師に問いかけた。
「治るんでしょうか?」
医師は、少し考えてから静かな口調で落ち着いて話しを始めた。
「大変心苦しく申し上げにくいのですが、元の状態には戻らないと思います。
最悪の場合、右足を切断する可能性があります。」
父、母、私は、言葉を失った。
まもなく結香がベットに寝たまま集中治療室から出てきて一般病棟に運ばれた。
結香は麻酔で眠っているようだった。
(命が助かっただけでも良かったと考えるべきだろうか?)
私の心境は複雑だった。
私は病室に運ばれて眠ったままの結香の顔をじっと見つめていた。
父と母が看護師の方から入院の手続きに関する説明を受けた。
説明が終わって父と母が結香のベットの近くに来た時、私は交通事故の出来事を話すことにした。
結香と私が帰宅する途中横断歩道を渡っているとき、結香は私をかばって私を突き飛ばして自分が車にはねられたことを正直に話した。
私は話しをしながら涙が溢れて止まらなかった。
そんな私に父が、
「沙耶香は、何も悪くないよ!
きっと結香は、元気になるよ!」
と優しく言葉をかけてくれた。
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