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私には大学の頃からお付き合いしている『悠葵(ゆうき)』という彼氏がいる。
悠葵はいつも私に優しくしてくれて、私の悩みに親身になって相談に乗ってくれる大切な存在だ。
社会人になると、悠葵から結婚を前提にお付き合いしたいと申し出があったが、私はその申し出を断っている。
私は結香のことがあって、自分だけ幸せになることはできないと考えていた。
場合によっては、一生結婚することはないかもしれないと思っていた。
それでも悠葵は、私とのお付き合いを続けて気長に待つと言ってくれている。
ある日悠葵が、
「沙耶香が結婚をためらっているのは、結香ちゃんの存在があるからかな?」
と言ったことがあった。
この時悠葵が、
「交通事故のことは、沙耶香の責任ではないよ!
沙耶香は何も悪くないし、沙耶香だって幸せになる権利があると思うよ!」
と私を励ましてくれた。
私にとって悠葵は、かけがえのない存在だということは分かっていたが、私の心の闇は相当深く根付いてしまっているようだった。
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