夏色タイムリープ

「えー、今日はケプラーの法則について
惑星の運動は楕円をえがくというやつだな」

なんとかついていけそうな気がする

「天動説が唱えられてる時代は地球の周りを太陽、月を含む星が回っていると考えられていた。コペルニクスが地動説について本を出し、ケプラーもそれに賛同したひとりだ。
まあ惑星が楕円を描いて動くというケプラーの第一法則だけど、万有引力によって運動する惑星は円錐曲線を描く、、」

エンシン曲線？

「タイチ、エンシン曲線てなんだ？」
「楕円、放物線、双曲線のことだな。円は楕円の一種だ。放物線はわかるな？」

「ボールを投げた時に描くような」
「そうそう、立ち小便もその一種だな」

、、、。

「おーい、一樹ィ」
下から声がした。
「一樹、お父さん呼んでるよ」
杏が定位置のベッドから身を起こして僕に言った。
「三人でおかきでもくわんか、飲みものもあるけ、お前が勉強にめざめるとはな、はは」
「ありがとう、絶対卒業するから」
「ああ頑張れ」
階段を降りてお盆を受け取ると父さんはまた
と和室へ戻っていった。