君に留まれ、水茎の跡

君を思わない赤などなかった。

篠藤 ユウ

14分 (7,979文字)

15 1,514

あらすじ

インク瓶が引っくり返った。 「友」であり「弟」であり、「息子」である――僕の「仲良し」の彼、その手が赤く染まっていた。彼の幼き日と同じように。 それが引き金となって、懐かしい記憶がよみがえる。 こぼれ

目次 1エピソード

感想・レビュー 2

愛情という不確かで不動の物語

なんて切ない物語だろう。 主人公の愛の深さと、すれ違ってゆく甥との距離が 語りだけですべて浮き彫りにされてゆく。 いつか、彼も伯父の愛に気づくのだろうか。 自分から捨ててしまった大切なものに 慟哭する
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心に直接語りかけてくる。

 ほとんどの地の文が主人公の心情やセリフとなっていて、『ライ麦畑でつかまえて』のような親近感が読者と著者に生まれてきます。それでいて、物語を婉曲的な表現で「君」へ語ることで紡いでゆく。文章表現の上手さ
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