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「美山、今日は大好きな統一白装束会の話ししなかったね」
「試験前でそれどころじゃないんじゃない?数式沢山あってノートに書くの大変だったよ」
「あいつ凄いよね。こんな私立のお堅い女子校で、仏教ともキリスト教ともつかない、異教の話しを授業中にするんだから」
それで時間がなくなって、試験範囲を終わらせるために、黒板に数式を沢山書くことになる。結衣はペンだこで疼く、半円にへこんだ右手の中指を親指でなぞった。
「よく、辞めさせられないよね。まぁしつこく勧誘して来るわけじゃないから、このくらいいいのかもしれないけど」
「人気あるからなぁ美山。誰も親や上にチクるやつなんかいないんじゃない?」
「美山ってさぁ、ちょっと中性的で世莉(せり)に似てるよね」
「そう!私も思った!うちの妹に似てるって。顔もどことなく似てるけど、全体的な雰囲気が似てる。そうやって見てると性格まで似てるような気がしてきた」
「うん。性格似てそう」
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